研究課題/領域番号 |
22H01695
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ソーントン ブレア 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (60526789)
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研究分担者 |
長野 和則 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (40869426)
西田 祐也 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (60635209)
Neettiyath Umesh 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (30845699)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マルチモーダル機械学習 / Inferance / 機械学習 / メタデータ / 環境モニタリング / AUV / ROV |
研究実績の概要 |
サンゴ礁・海藻帯や海底鉱物資源であるコバルトリッチクラストの分布の理解について、高精度な分布情報が得られるが調査範囲が限られる海底画像・衛星写真と、一度に広い面積を調査できるが解像度が低いため詳細な分布情報が得られないライダー地形とを統合するマルチ・モーダルなデータ解析手法に関する研究を推進している。研究2年目となる2023年度は、1)AUVが取得したサンゴや海草、泥、砂、岩などの底質の分類/推定では、衛星データの他に、物理的パラメタである広域ソナーデータ(SSS)で取得した情報を、深度などの地形データを組み込んだGeoreference Contrastive Learningによる機械学習クラス分けに追加することで精度向上を諮り、ground truth(人間による判断)と比較することで精度検証を行った。今後はモデル化を推進する。2)クラストが賦存する海底の底質の分類/推定(クラスト、ノジュール、堆積物)では、物理的パラメタであるソナーデータ(SSS)で取得した広域音響データとホバリング型AUVが取得した画像+音響データを用いたSVMによる機械学習+地形データを組み込んだGeoreference Contrastive Learningによる分類結果を比較し、特定の海山やエリアではソナーデータによる底質分類とAUVデータの分類結果が一致することが判明した。今後、条件について検討を進める。3)海山全体の広域海底底質の分類と推定では、航行型AUV、ホバリング型AUV、ROVが取得したデータと船から取得したソナーデータを統合解析して、未調査エリアの分類/推定を行っている。AUV調査エリアはクラスト分布地帯に偏る傾向があるため、海山全体の推定には精度向上が必要である。ground truthの取得が難しいため、推定手法の向上について検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は、高精度な分布情報が得られるが調査範囲が限られる海底画像・衛星写真と、一度に広い面積を調査できるが解像度が低いため詳細な分布情報が得られないライダー地形とを統合する手法について考えていたが、AUVやROVが取得した実データを数多く利用することができ、また、衛星データだけでなく、船からのソナーデータとのインフェランスが可能となり、予想以上に多くの結果を出すことができている。
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今後の研究の推進方策 |
それぞれのケーススタディについて、インファランス手法の精度向上に関する研究を行う。インファランスには、昨年度の研究で確立したGeoreference Contrastive Learningを広域データに適用して特徴を学習し、精度の評価は、一部取り除いた画像データから算出したクラスとInference結果と照合することで検証する。用いる広域データは、音響反射強度、音響地形、衛星画像の3パターンを比較し、音響反射強度と音響地形に関してはこれらを統合してから特徴を抽出した結果と、それぞれを分けて特徴を抽出した場合と比べて精度向上の可能性を検証する。インファランスの方法に関して、広域データの特徴と同じ場所で取得した画像データのクラスとの関係性をマルチ・モーダル・ベイズ・ニューラル・ネットで直接学習した広域ハビタット分布結果と、画像データの特徴空間を推定してからクラシフィケーションを行った広域ハビタット分布結果を比較し、マルチ・モーダル学習方法の最適化を図る。
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