研究課題
高圧FZを用いて作製したScドープされたFe量1.25(Ga0.75)組成の単結晶を粉砕し粉末を得た。使用したSc量はx=0, 0.10, 0.15であった。作製した粉末においてXMCD測定にてFe L-edgeから得られるスペクトルより磁気モーメントの状態を解析した。Scの量と温度を変化させて実験を行った結果、Sc無ドープにおいては320KにてFe由来の磁気モーメントが存在することがわかった。また、酸素八面体から得られる磁化と酸素四面体から得られる磁気モーメントの方向は逆で有り、フェリ磁性であることがわかった。Scをドープしたサンプルにおいて、x=0.10および0.15で同様の磁気モーメントの振る舞いを示し、酸素八面体は無ドープと同様、酸素四面体から得られる磁気モーメントはほとんど無かった。構成される元素を考えると、GaおよびScは磁気モーメントを持たないので、Scをドープする事で優先的に酸素四面体サイトを占有すると考えられる。これを調査するために中性子回折を行った結果、XMCDから予想された結果とつじつまの合う結果となった。
2: おおむね順調に進展している
当初計画していた通りに研究が進んでいるため。
構成元素と各サイトにおける磁化測定について研究手法を確立したので、ドーパントを磁性材料に変更してそれぞれの磁気モーメントにて議論することで本材料系の構造と物性について学理を深化させる。また方位を決定した単結晶材の合成についても充分に確立されたため、誘電性および磁性を主とする物性測定の展開を試みる。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
ACS Omega
巻: 8 ページ: 7883-7890
10.1021/acsomega.2c07646
Applied Physics Letters
巻: 121 ページ: 262901
10.1063/5.0119843
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 61 ページ: SN1025
10.35848/1347-4065/ac819a
Journal of the Ceramics Society of Japan
巻: 130 ページ: 436-441
10.2109/jcersj2.21184
AIP Advances
巻: 12 ページ: 065015
10.1063/5.0088234
https://shintaroyasui.com/