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2023 年度 実績報告書

非晶質材料における物性と陽電子寿命測定法より算出した空隙との相関

研究課題

研究課題/領域番号 22H01785
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

正井 博和  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (10451543)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードガラス / 空隙 / 弾性率 / 構造 / 物性
研究実績の概要

【研究の目的】本研究は、主として酸化物ガラス、および、結晶化ガラスを対象として、陽電子寿命測定法を用いて空隙を定量化することにより、材料における中距離構造の空隙サイズと物性との相関を明らかにすることを目標とする。具体的には、(1)酸化物ガラスにおける陽電子寿命測定法の適応範囲を明らかにする。(2)ガラスにおける空隙サイズの変化と結晶化挙動との相関を定量的に議論する。そして、(3)陽電子寿命測定法により求めた空隙とガラスの物性(弾性特性や発光特性)との相関を解明する。これらによって、ガラスにおける評価方法の1つとして、陽電子寿命測定法の有用性を確立することが最終の目標である。
【2023年度研究実施計画】
2023年度は、陽電子寿命測定法を用いて、酸化物ガラスを熱処理して得られる結晶化ガラスについて、陽電子寿命測定により、結晶化挙動との相関を調査する。具体的には、溶融急冷法などにより作製した種々の酸化物ガラスを研究対象として、XRD,TEMなどにより求めた結晶子サイズ、超音波エコー法により求めた弾性率、あるいは、示差熱分析より求めた熱物性との相関を議論する。また、これらの試料について、微量の元素を添加したガラス試料を調製し、ドープした元素の濃度と算出される空隙サイズの相関について調査する。
【2023年度研究実施結果】
2023年度は、研究代表者が所属機関の出向業務に携わって研究に対するエフォートが非常に限られていたにも関わらず、これまでのデータを取りまとめて、3報の査読付き論文(全てオープンアクセス論文)を筆頭著者として執筆したことは評価に値すると考えている。限られたエフォートにおける主な実験内容は、作製した試料の陽電子消滅実験、及び、他の物性評価試験を行うにとどまったが、2024年度の論文化・成果発表に向けた多くのデータの蓄積が進んだ状況を作り出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請者が、所属機関において、1年間の出向業務に携わり、研究に対するエフォートが非常に限られていたため。
アウトプットとして、筆頭著者として3報の査読付きオープンアクセス論文を執筆したものの、当初予定より客観的な観点では、研究進捗が遅れている。
一方で、他の研究者との連携を着実に進めている点は評価できる。

今後の研究の推進方策

2023年度報告にあるように、2023年度は出向業務により、研究業務に関するエフォートを十分に割くことができず、論文化を進めることができなかった。本研究課題において、最終年度は、これまでのデータの蓄積を基に成果の論文化を図る。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Combinatorial characterization of metastable luminous silver cations2024

    • 著者名/発表者名
      Masai Hirokazu、Koshimizu Masanori、Kawamoto Hiroki、Setoyama Hiroyuki、Onodera Yohei、Ikeda Kazutaka、Maruyama Shingo、Haruta Naoki、Sato Tohru、Matsumoto Yuji、Takahashi Chika、Mizoguchi Teruyasu
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 14 ページ: 4638

    • DOI

      10.1038/s41598-024-55014-8

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Data analysis of compositional distribution and glass transition temperature of low-melting phosphate glass using big data2023

    • 著者名/発表者名
      Masai Hirokazu、Mihara Toshiyuki、Kintaka Kenji
    • 雑誌名

      Journal of the Ceramic Society of Japan

      巻: 131 ページ: 466~474

    • DOI

      10.2109/jcersj2.23037

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Siliceous zeolite-derived topology of amorphous silica2023

    • 著者名/発表者名
      Masai Hirokazu、Kohara Shinji、Wakihara Toru、Shibazaki Yuki、Onodera Yohei、Masuno Atsunobu、Sukenaga Sohei、Ohara Koji、Sakai Yuki、Haines Julien、Levelut Claire、H?bert Philippe、Isambert Aude、Keen David A.、Azuma Masaki
    • 雑誌名

      Communications Chemistry

      巻: 6 ページ: 269

    • DOI

      10.1038/s42004-023-01075-1

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ガラスの構造解析ツールとしてのXAFS2023

    • 著者名/発表者名
      正井博和
    • 学会等名
      ニューガラスフォーラム第149回若手懇談会
    • 招待講演
  • [学会発表] データベースを用いた低融点リン酸塩ガラスにおけるデータ解析2023

    • 著者名/発表者名
      正井博和、三原敏行、金高健二
    • 学会等名
      日本セラミックス協会第36回秋季シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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