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2022 年度 実績報告書

界面破壊制御を用いた異相接合部強化指針に基づく高信頼焼結接合法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22H01832
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

松田 朋己  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (30756333)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード異相界面 / 焼結 / 接合制御 / 破壊制御 / マイクロ力学試験 / ナノ構造
研究実績の概要

本研究は,セラミックスとの銀焼結接合部におけるナノ・マイクロスケール界面破壊制御による接合部強化指針を構築し,この指針に基づいて高信頼接合法を確立することを最終目標としている.今年度は①電子顕微鏡内接合部創製法の構築ならびに②マイクロスケールでの接合部特性取得・破壊過程の理解を実施した.①では,走査電子顕微鏡内で温度および応力印加を利用した接合部創製法の構築を進め,圧力・温度制御のもとで組織改変検討を行うための試料作製方法の検討を進めるとともに,当該試料を用いた接合部創製を行った.昇温・圧力印加状態において,銀焼結部における酸素含有銀組織の分解・焼結挙動やナノ粒子析出挙動などの局所的な組織変化を観察することができた.②では,異相焼結接合部に対する走査電子顕微鏡内での接合部特性・破壊評価法を確立した.本手法を用いてシリコンならびに表面をアルミナで覆われたアルミニウムを被接合材料として,高温放置試験後の特性を評価した結果,各継手の局所力学特性を取得するとともに,焼結層と界面での破壊進展経路の変化が認められた.並行して検討を進めたマイクロ力学試験/X線CT融合アプローチを用いることで,三次元組織変化と対応付けた力学特性を取得することに成功し,高温放置試験環境において導体/銀焼結直接接合部はその接合部の初期組成に応じて,銀ならびに酸素含有銀組織の物質輸送が生じ,上述の破壊挙動が変化することが明らかとなった.以上の成果については,現在学術論文投稿準備中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、以下4つの研究項目に取り組むことを予定している;①接合部創製法構築と接合過程の理解,②接合部特性取得と破壊過程の理解、③界面破壊制御による強化指針の構築,④高信頼接合法の確立.当該年度は①接合部創製法の構築および②マイクロスケールでの接合部特性取得・破壊過程の理解の遂行を当初実施計画項目として研究を進めたところ,①では昇温・圧力印加状態での組織改変手法を構築・確認し,②では異なる被接合材料種を対象として,局所力学特性の取得ならびに継手への外場付与後における破壊挙動変化を捉えるなど,良好な結果を得ており,上記の成果を既に複数の論文として投稿している.上記に基づいて当初2023年度に実施する「界面破壊制御による強化指針の構築」のベースとなるモデルの構築を進めるとともに,新接合プロセスの提案なども進められている.
以上のことから本研究課題の進捗状況としておおむね順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

2023年度は,①では透過電子顕微鏡内での試験体への外場印加を通じて,粒界・格子欠陥に着目した焼結部ナノ構造変化挙動を捉える.加えて,2022年度に構築した接合部創製法を用いて電顕内での接合部創製を進め,②において創製した接合部の特性取得・破壊過程の理解を進める.さらに,年度後半では,新接合プロセス構築のため①と②で得られた組織変化に対応した局所特性・破壊挙動に基づいて③界面破壊制御による接合部強化指針の構築を進める.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Highly strong interface in Ag/Si sintered joints obtained through Ag2O-Ag composite paste2023

    • 著者名/発表者名
      Matsuda Tomoki、Seo Ryotaro、Hirose Akio
    • 雑誌名

      Materials Science and Engineering: A

      巻: 865 ページ: 144647~144647

    • DOI

      10.1016/j.msea.2023.144647

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 酸化銀還元接合法による複合構造化を利用したアルミニウムの接合2023

    • 著者名/発表者名
      碓井脩斗,松田朋己,藤野純司,加柴良裕,神原淳,廣瀬明夫
    • 雑誌名

      第29回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム (Mate2023) 論文集

      巻: 29 ページ: 79~82

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高温信頼性向上のためのSi/Ag界面特性に着眼した銀焼結組織制御2023

    • 著者名/発表者名
      脊尾凌太朗,松田朋己,神原淳,廣瀬明夫
    • 雑誌名

      第29回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム (Mate2023) 論文集

      巻: 29 ページ: 99~104

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cu2O粒子の形態制御に着目した還元焼結接合の検討2023

    • 著者名/発表者名
      大久保志緒,松田朋己,山田晴悟,神原淳,廣瀬明夫
    • 雑誌名

      第29回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム (Mate2023) 論文集

      巻: 29 ページ: 105~106

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of Heat Resistance of Ag-Cu Hybrid Sintering to Cu Substrate2022

    • 著者名/発表者名
      Matsuda Tomoki、Yamada Seigo、Hirose Akio
    • 雑誌名

      Journal of Smart Processing

      巻: 11 ページ: 294~300

    • DOI

      10.7791/jspmee.11.294

    • 査読あり
  • [学会発表] 高温信頼性向上のためのSi/Ag界面特性に着眼した銀焼結組織制御2023

    • 著者名/発表者名
      碓井脩斗,松田朋己,藤野純司,加柴良裕,神原淳,廣瀬明夫
    • 学会等名
      第29回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム (Mate2023)
  • [学会発表] 高温信頼性向上のためのSi/Ag界面特性に着眼した銀焼結組織制御2023

    • 著者名/発表者名
      脊尾凌太朗,松田朋己,神原淳,廣瀬明夫
    • 学会等名
      第29回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム (Mate2023)
  • [学会発表] Cu2O粒子の形態制御に着目した還元焼結接合の検討2023

    • 著者名/発表者名
      大久保志緒,松田朋己,山田晴悟,神原淳,廣瀬明夫
    • 学会等名
      第29回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム (Mate2023)
  • [学会発表] マイクロ力学試験を用いた焼結銀/シリコン 直接接合界面の破壊挙動評価2023

    • 著者名/発表者名
      松田朋己,廣瀬明夫
    • 学会等名
      エレクトロニクス実装学会第37回春季講演大会
  • [学会発表] Formation of oxidationless Cu sinter joints using Cu2O-glycol paste2022

    • 著者名/発表者名
      Tomoki Matsuda, Seigo Yamada,Shio Okubo,Akio Hirose
    • 学会等名
      The 75th IIW Annual Assembly and International Conference
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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