今後の研究の推進方策 |
1)今後は、担持Rh触媒について静的な吸着状態の解析に加え,過渡応答法を利用した動的な挙動についても解析し,(a) CO2の直接解離とそれに続く水素化あるいは,(b) CO2の解離に対して吸着水素がアシストする機構のどちらで反応が進行しているのか,リン化Rhと担体の酸素欠損の詳細な役割を解明する.合わせて,XAFS,IR,ガスクロマトグラフ,四重極質量分析計を組み合わせたOperand分析を行い,反応機構と担持されたRhの電子状態・構造との相関を解明する.さらに,量子化学計算により,想定される反応機構に基づきCO2およびH2分子の活性化におけるリン化ロジウムと担体の酸素欠損の役割を解析する.これらを総合し,低温域で逆水性ガスシフト反応(1),メタノール合成反応(2)を高効率で駆動することが可能な触媒が具備すべき性質を提案する. 2)構造を制御した3d, 4d, 5d金属のリン化物の合成とCO2水素化反応への応用 構造を制御した3d, 4d, 5d金属のリン化物の合成し,これを易還元性酸化物に担持した触媒を調製する.5d金属については、予備的な結果を得ている。今後は、3d,4d金属に拡張する。各種金属リン化物の合成については,既報の知見を活用しつつ,条件の最適化を進める.調製した触媒を逆水性ガスシフト反応(1)およびメタノール合成反応(2)に適用し,活性・選択性を評価する.各種分析法により3d, 4d, 5d金属の金属リン化物の構造・モルフォロジー・電子状態を解析するとともに,量子化学計算による電子状態の評価を行う.これらの結果を総合し,各種金属リン化物および易還元性酸化物の物性と活性・選択性の相関を解明し,低温域で逆水性ガスシフト反応(1),メタノール合成反応(2)を高効率で駆動することが可能な触媒の設計指針を提案する.
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