研究実績の概要 |
本研究はAlNを含む窒化物半導体の中でもデバイス構造を作製できる限界に近い220nm波長帯でのLEDの高効率化を目的としている。230nm以下の波長帯では表皮での吸収が大きく人体に無害であることが知られているため有人環境下で深紫外LEDの使用が可能でありアプリケーション拡大に貢献できることが期待される。一方でAlNのバンドギャップは6..0eVでありAlN自身で発光層を作製した場合でも210nm程度であることから量子井戸発光層を220nmの波長帯に設定するLEDはAlNモル分率の高いAlGaNを高品質に成長する技術だけでなくデバイス構造を考慮した結晶成長技術の構築が求められる。 高品質なAlGaNの結晶成長技術としては、AlN下地層を低転位に成長することが求められるが、超高温成長が可能な結晶成長装置を開発することで、結晶成長の向上に成功している。そこで研究の技術課題としては、高組成AlGaNで伝導性を得ることとAlGaNにおいて高効率が実現可能な発光層を実現することである。 本年度はAlNの高温成長およびAlGaNの成長においてデバイスにつながる技術の発表としてInternational Workshop on Nitride semiconductor 2022にて4件の発表(口頭1件、ポスター3件)、第70回応用物理学会春季学術講演会にて口頭発表1件、ナノエピ国内会議において招待講演1件、IS Plasma国際会議において招待講演1件を発表した。また、原著論文としてScientific Reports, 13, 3308.1-7, 2023.およびScientific Reports, 13, 2438. 1-7, 2023.が掲載された。
|