研究課題/領域番号 |
22H01974
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
嘉数 誠 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50393731)
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研究分担者 |
SAHA・NILOY CHANDRA 佐賀大学, 理工学部, 助教 (20933089)
高橋 和敏 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 教授 (30332183)
大石 敏之 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40393491)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ダイヤモンド |
研究実績の概要 |
①「結晶格子の異なる基板上にバッファ層とダイヤ層がエピ成長する機構」堆積後のIrバッファ層表面は、原子レベルで平坦な表面であったが、バイアス促進核形成(BEN)処理後は、畝構造になり、溝の下部からダイヤ三次元島が成長し、島が合体し、層成長に移っていく過程をAFMで観察し、成長機構を提案した。 ②「ダイヤヘテロエピ成長層中の転位、欠陥の発生と伝搬機構」転位をX線回折やTEM観察で調べ、転位は刃状型であり、転位密度は1.4x107cm-2でありヘテロエピタキシャルダイヤモンドでは世界最高品質を確認した。 ③-1「ダイヤヘテロエピ膜とバッファ層の残留応力、結晶の反り、クラック抑制の機構の解明」様々な成長時間のダイヤ核が成長した構造で、ダイヤの核生成・合体、層成長の過程をX線回折、AFMで観察し、MgO基板上と比較を行った。サファイア基板上の方が、成長早期にひずみが緩和されることがわかった。ダイヤモンドの残留ひずみの発生は、基板材料とダイヤモンドの熱膨張率差で説明できることを明らかにした。 ③-2「オフ基板によるダイヤの応力緩和とクラック抑制の機構」傾斜したサファイア基板を用いるとXRC FWHMが狭くなり、結晶の反りが小さくなり、応力緩和を示唆する実験結果を得たが、out-of-planeとin-planeのX線回折測定を行い、MgO基板と比較し、サファイア基板上の方がIr層の圧縮ひずみ、ダイヤモンド層の引張歪の大きさは緩和されることが分かった。 ④「デバイス特性に影響を与えるダイヤヘテロエピ膜の結晶品質」異なる品質のダイヤ膜上にFETを作製し、XRCの半値幅とFET特性との相関を調べ、結晶が高品質なほどFET特性に優れていることが示唆された。世界最高の出力電力875MW/cm2、出力電圧3659Vを達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り実験の方は進捗している。MgO基板上ダイヤモンドとの比較は、H5年度の計画であったが、1年前倒しで実験結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りH5年度の研究項目の研究を進めていく予定である。 ダイヤモンドで企業との共同研究がH4年度で終了することになった。H5年度からは、別の企業からの協力を得て、研究を進めていくと共に、自前で一部の試料を用意することで、遅滞なく進めていけるようにする
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