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2022 年度 実績報告書

機械学習を用いたデータ駆動型熱流体解析の基盤開発

研究課題

研究課題/領域番号 22H02003
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

三輪 修一郎  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00705288)

研究分担者 原 聡  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40780721)
Pellegrini Marco  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (50741360)
岡本 孝司  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80204030)
武居 昌宏  千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (90277385)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード気液二相流 / 熱流体工学
研究実績の概要

本研究申請においては、AI技術によるデータ創作、物体検出、パターン認識からなる基礎的アプローチに加え、計測機器より流れ場情報をリアルタイムに推定させる応用的アプローチの4課題を軸とした「AI×熱流動」に着目し、機械学習を用いたデータ駆動形熱流体解析の基盤開発を目指すものである。
2022年度においては、課題(1)として、深層学習による物体検出アルゴリズムを用いて気泡流画像を学習させ、気泡検出モデルの構築を行った。データベースとしては、千葉大学ならびに東京大学にて実施した実験を基に、様々な気液流量により生成された気泡流画像から球形気泡ならびに歪形領域(distorted particle regime)における気泡を対象とし、ボイド率や界面積濃度等の流動パラメータの推定と、推定結果の検証を実施した。これらの高解像度二相流画像と、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)をベースとした物体検出アルゴリズムを融合させ、二相流の流れ場における気液界面特徴量(ボイド率、界面積濃度)を瞬時・リアルタイムに抽出可能なモデルの基盤構築を行った。本年度は、キャップ気泡生成領域までの(ボイド率約10%)条件を適用範囲とし、既存の界面積濃度やボイド率相関式と比較検証を実施した。次年度には本モデルを更にチューニングすると共に、スラグ流までデータベースを拡張子、バイアスの定量化等を試みる。
課題(2)においては、炉心や格納容器減圧時のプールスクラビングやフィルターベント(FCVS)装置の設計に必要となる直接接触凝縮線図の構築を目標としている。2022年度においては新規実験装置構築のための準備を行い、配管系や実験装置の詳細設計を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

物体検出アルゴリズムを用いた気泡検出における実験においては、学習データに必要な計測機器の構築を終え、気泡検出を実施する上での予備モデルの構築を行った。分担機関である千葉大学とは定期的に情報交換を行っており、データベース構築は順調に進んでいる。直接接触凝縮実験においては、使用する水タンクの配備に加え、ボイラーからの蒸気配管ラインの設計も完了した。次年度上半期には予備データの収集を予定していることから、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

2023年度は、本年度に構築した気泡検出モデルの最適化と高度化を目指し、最新の物体検出アルゴリズムのサーベイと実装を展開する予定である。また、千葉大学、大阪大学と密に連携を取り、高速度カメラのみならず、ワイヤーメッシュやトモグラフィ等の計測機器を使用した特徴量抽出と、機械学習モデルの構築にも挑む考えである。 また、敵対的生成ネットワーク(GAN)等の技術を用いた高画質データ生成にも挑戦し、初期・境界条件の情報から二相流データの生成が可能となるツールの作成も実施する予定である。
課題(2)においては、蒸気ボイラーを用いた直接接触実験を行うインフラを整え、予備データの構築を開始し、高速度カメラにより得られた詳細動画からシーン認識技術により凝縮プルームの形状分類を行う。以上の研究推進方策より、次年度は、機械学習モデルより得られた出力結果を既存の流動様式遷移図や構成方程式と比較検証し、データ駆動形熱流体解析の基盤を構築する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ディープラーニングによる物体検出・認識技術を適用した 気液二相流画像解析手法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      江口 航平,三輪 修一郎,澤 和弘
    • 学会等名
      日本原子力学会春の年会

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公開日: 2023-12-25  

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