研究課題/領域番号 |
22H02049
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福井 賢一 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (60262143)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 電気二重層 / 界面Operando観測 / イオン液体薄膜 / 電極電位依存性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,表面科学的解析に適した数100μm程度まで拡がる厚さ数 nmのイオン液体薄膜と同薄膜内の物質量を調整するバッファや3極系制御で溶液電位を規定できるバルクイオン液体が接続されたイオン液体電解液の微小液滴を用いて,特定の厚み(幅)のイオン液体の電極電位に応じた組成,各イオンの配向・電子状態・構造化をOperando計測し,各電極上で理想に近い電気二重層が容易に形成される厚みと組成について明らかにすることである。 本研究の初年度として,研究代表者,研究協力者8名の計9名からなる研究組織で,申請者らが開発してきた電気化学界面のOperando解析手法(電気化学光電子分光(EC-XPS)、電気化学周波数変調原子間力顕微鏡(EC-FM-AFM)、電気化学遠紫外全反射吸収分光(EC-ATR-FUV)))を利用して特に以下の項目に関する研究を実施した。 ①イオン液体液滴周辺にできる薄膜領域での金属イオンの溶媒和状態と拡散過程の解析 ②イオン液体薄膜/薄膜有機半導体からなる誘起電界トランジスタの界面におけるキャリア輸送特性と電気二重層形成の相関解析 ①については,界面選択的な分光法を用いて,Li+イオンおよびAg+イオンに配位するアニオンの数を正確に決定する方法論を見出し,原著論文として発表した。 ②については,イオン液体を構成するカチオンおよびアニオンに応じて,界面電気二重層がどのように形成されるかを分子動力学計算により解析し,その結果を国際会議で発表して議論した。また,実験的にも界面選択的分光によりその依存性を明らかにする結果を得て,論文化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の当初に計画していた一つ目の課題については,界面選択的な分光法を用いて,Li+イオンに配位するアニオンの数を正確に決定する方法論を見出し,原著論文として発表した。 また二つ目の課題については,イオン液体を構成するカチオンおよびアニオンに応じて,界面電気二重層がどのように形成されるかを分子動力学計算により解析し,その結果を国際会議で発表して議論した。また,実験的にも界面選択的分光によりその依存性を明らかにする結果を得て,論文化を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,研究代表者,研究協力者8名の計9名からなる研究組織で,申請者らが開発してきた電気化学界面のOperando解析手法(電気化学光電子分光(EC-XPS)、電気化学周波数変調原子間力顕微鏡(EC-FM-AFM)、電気化学遠紫外全反射吸収分光(EC-ATR-FUV)))を利用して特に以下の項目に関する研究を実施する。 ①イオン液体液滴周辺にできる薄膜領域での金属イオンの溶媒和状態と拡散過程の解析 ②イオン液体薄膜/薄膜有機半導体からなる誘起電界トランジスタの界面におけるキャリア輸送特性と電気二重層形成の相関解析
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