研究課題/領域番号 |
22H02177
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福塚 友和 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90332965)
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研究分担者 |
松井 敏明 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90378802)
片倉 誠士 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20886345)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 全固体電池 / 電解質 |
研究実績の概要 |
2022年度は、ナトリウムイオン伝導性柔軟材料の合成、全固体化電解質中のイオン移動挙動の解明、を中心に取り組んだ。 ナトリウムイオン伝導性柔軟材料として、まずポリマー電解質を選定した。ポリマー電解質の合成には、ポリエチレンオキシド(PEO)をホストポリマー、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(NaTFSA)をナトリウム塩として用い、アセトニトリルを溶剤としたキャスト法により膜を得た。NaTFSAの含有量、ポリマー電解質膜のエージング条件の最適などに取り組んだ。得られたナトリウムイオン伝導性ポリマー系電解質のイオン伝導度以外の物性に関しては今後評価を進める。さらに、イオン液体複合化バインダーの電解質膜化にも取り組んだ。 固体電解質に緻密化されたNa-β”-アルミナペレットを用い、両面に作製したポリマー電解質を貼り付け、固体電解質/ポリマー電解質界面のナトリウムイオン移動抵抗の活性化エネルギーを得た。ポリマー電解質では見られない活性化エネルギーを有する円弧成分が見られ、界面ナトリウムイオン移動抵抗と帰属した。これらの活性化エネルギーはポリマー電解質バルクよりも低いものであったが、Na-β”-アルミナペレットのバルク抵抗より大きなものであった。また、Na-β”-アルミナペレットをプレス成型し、その三次元構造解析の予備検討を行った。複合化についても検討を開始し、ポリマー電解質とNa-β”-アルミナ粉末との混合による複合化を行ったが、ポリマー電解質とNa-β”-アルミナ粉末界面での伝導を示唆する結果が得られた。今後はPEOの分子量などを変えた測定を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナトリウムイオン伝導性柔軟材料であるポリマー電解質の熱分析などの物性評価が一部遅れている点はあるが、ポリマー電解質と固体電解質粉末の複合化に関する取組を先行して進めており、全体として順調に進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度の残課題であるポリマー電解質の熱分析などの物性評価に継続して取り組むとともに、固体電解質粉末など種々の材料の変更も念頭にポリマー電解質と固体電解質粉末の複合化手法をより詳細に検討し、研究を進める予定である。
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