研究課題
アンチセンス核酸やsiRNAは標的mRNAの発現を抑制する遺伝子治療薬として有望であるが、その細胞内へのデリバリー法に関して課題がある。有用な手法としてLNPなどの高分子キャリアや、リガンドコンジュゲート法などが存在するが、細胞質への到達効率や細胞毒性等の観点から課題が残り、オリゴ核酸に適した新規のデリバリー技術の開発が重要である。こうした背景を踏まえ本研究ではジスルフィド構造をオリゴ核酸の末端に導入することで、その細胞内取り込みを促進する手法を開発する。今年度の研究では、昨年度の検討で見出した有望なジスルフィドユニットの構造を基盤として、オリゴ核酸への導入パターンについて種々検討を行った。その中から、活性向上に重要な修飾構造を見出した。また、オリゴ核酸の細胞内デリバリー法と並んで重要になるメカニズムベースの高活性化に関しても検討も行い、活性向上に資する新規遺伝子発現抑制能を有するオリゴ核酸の分子デザインを同定した。
2: おおむね順調に進展している
ジスルフィド導入核酸について活性向上に有効な分子構造、およびオリゴ核酸医薬の活性機能向上に資する分子デザインの同定に至っているため。
これまでの基礎検討を踏まえて、オリゴ核酸医薬の活性向上に資する分子デザインの集約化を行い、vivo系においても高い活性を示すオリゴ核酸構造の探索を行う。
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Chemical Communications
巻: 59 ページ: 11564~11567
10.1039/D2CC06189A