現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究において、大腸菌で発現させたLGS1タンパク質とSLの前駆物質の一つである18-hydroxycarlactonoic acid(18-OH-CLA)をインキュベートしたところ、ソルガムの主要なSLである5-deoxystrigol(5DS)の生産が確認された。しかし、同時にその立体異性体の4-deoxyorobanchol(4DO)も検出された(Yoda et al., New Phytol., 232: 1999-2010, 2021)。LGS1遺伝子は硫酸基転位酵素をコードしており、18-OH-CLAの水酸基に硫酸基が付加して脱離し、酵素非依存的にC環の環化が進んだと考えられた。4DOはソルガムからは検出されないので、5DSだけを生産する生合成経路にはもう一つ、C環の立体を決める酵素が必要であると考えられた。そして、ソルガムにおいてLGS1遺伝子と共発現している遺伝子を候補として選び、それにコードされる2-オキソグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼSb3500の機能の解析を進めた。その結果、酵母や大腸菌を用いた発現系や、ベンサミアナタバコによる一過的発現系により、Sb3500はLGS1と一緒に発現させたときに5DSを選択的に合成する機能をもつことを明らかにした(Yoda et al., Plant Cell Physiol., 64: 1034-1045, 2023)。
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