研究課題
非コード転写に駆動されるエピゲノム制御のメカニズムと意義を探るために、主に2つの研究を進めた。1つは、シロイヌナズナのfld変異体で起きるFLC遺伝子の高発現と開花の遅延を抑圧する新規変異体の探索で、次世代シークエンサーを用いた連鎖解析により10以上の変異体について候補原因遺伝子を同定した。これらにはクロマチン制御に関連すると考えられる遺伝子が多く含まれ、H3K4モノメチル化と転写をつなぐ新規クロマチン因子候補を多数同定できたといえる。もう一つは、非コード転写産物を新規に同定するために、クロマチンに結合したRNAを網羅的に同定する試みで、ロングリードシークエンサーを用いる方法を確立することができた。さらに、H3K4メチル化・脱メチル化制御の解析を進め、転写共役的なH3K4メチル化制御機構を同定し、論文として公表した。
1: 当初の計画以上に進展している
非コード転写とエピゲノムをつなぐ多数の新規クロマチン制御因子候補を順遺伝学的手法と次世代シークエンサーを用いた連鎖解析により同定することができた。このことは、本研究の目的達成にとって非常に重要な成果であるといえる。
同定した原因遺伝子候補の確定を進めるとともに、これらの機能解析を進める。また、新規非コード転写産物の同定のため、さまざまな環境に晒した植物におけるクロマチン結合RNAシークエンス解析を進める。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件)
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