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2023 年度 実績報告書

重要遺伝資源タルホコムギにおける生殖関連遺伝子の同定とその育種利用

研究課題

研究課題/領域番号 22H02307
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

角井 宏行  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60783199)

研究分担者 松岡 由浩  神戸大学, 農学研究科, 教授 (80264688)
岡田 萌子  新潟大学, 自然科学系, 助教 (20913289)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード花粉数 / 葯長 / 花粉サイズ / タルホコムギ / 野生種 / ゲノムワイド関連解析
研究実績の概要

植物の栽培化やその自殖化に伴って生じる自殖シンドロームによって花粉数は減少すると考えられており、実際にいくつかの植物種で花粉数や葯長の減少が観察されている。これらの花粉数を制御する遺伝子について現時点で明らかになっているものはごくわずかである。世界三大穀物であるコムギで花粉数を制御する遺伝子を明らかにすることは収量の向上や安定化が期待でき、農業上においても重要である。本研究では栽培種よりも多様な形質特性をもち、四倍体コムギ(パスタコムギ)や六倍体コムギ(パンコムギ)といった栽培コムギと比較してシンプルなゲノム構造をもつ二倍体の野生種タルホコムギを用いて解析を行い、花粉数や葯長、花粉サイズを制御する遺伝子の同定を試みる。第二年度であるR5年度は、タルホコムギのコアコレクションの約200系統についてR4年度で計測した葯長・花粉数・花粉サイズについて形質の解析およびゲノムワイド関連解析(GWAS)を行なった。その結果、花粉数は1小花あたり数百粒から7000粒と系統間で大きな多様性があることがわかり、野生種の多様性の高さを裏付けるような結果が得られた。GWASの結果、有意なピークが得られた一方で、近傍の複数のマーカーが有意に高いスコアを持つような明らかに有望と思われるような領域は得られなかった。この結果に対しては、系統数をさらに増やすことや採取地が多様な系統を用いることでGWASの精度が向上すると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ゲノム情報がほとんど存在しなかったタルホコムギのコアコレクション200系統からGRAS-Diや花粉関連形質を取得することでGWASまで行うことができたため、順調に進捗していると考えられる。一方でGWASで明確なピークが得られなかった点については今後の方策を考える必要がある。また、本年度は国際シンポジウムを含む学会などに複数参加し、情報収集を積極的に行なった。

今後の研究の推進方策

引き続き、研究分担者である松岡由浩教授(神戸大学)・岡田萌子助教(新潟大学)とともに、タルホコムギで葯長・花粉数・花粉サイズに関わる遺伝子の同定を目標に研究を進める。タルホコムギ200系統を用いた解析では思うようなピークが得られなかったため、系統を500系統以上に増やし形質データおよびジェノタイプデータを取得する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 花粉数を制御して社会貢献を目指す2024

    • 著者名/発表者名
      角井宏行
    • 学会等名
      東京大学・農学部社会連携リエゾンオフィス 第2回シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] Pollen number studies:from basic to applied research2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Kakui
    • 学会等名
      KEPLR kick-off meeting Zurich
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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