研究課題/領域番号 |
22H02319
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
津田 勝利 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 助教 (30756408)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 野生イネ / 繁殖戦略 / 穂分枝制御 |
研究実績の概要 |
花序の分枝は、栽培作物では収量に直結する形質であり、栽培イネは祖先の野生イネからの栽培化の過程で穂分枝数を増大させてきた。一方、野生イネは各々の繁殖戦略に応じて穂分枝を調節し種子への資源分配を制御することが知られているが、その遺伝的背景は不明である。本研究では、野生イネが持つ穂分枝抑制因子Uniaxial (Ux)と分枝促進因子Supressor of Uniaxial (Su)からなる野生イネ独自の制御モジュールの分子実体を解明する。また栽培・野生イネ集団内で、これらの遺伝子に生じた自然変異の分布と繁殖に関わる形質を調査し、生物学的意義を検証する。 2022年度はSu責任遺伝子を同定するべく、Ux-O.rufipogon間のUx戻し交雑BC2F2、BC3F2世代の分離集団約5000個体を用いて連鎖解析をおこない、約100kbまで候補領域を絞り込んだ。候補領域内に存在する遺伝子について日本晴および親野生イネ系統のゲノム配列を比較したところ、野生イネで機能型と考えられる5遺伝子を同定した。これらの候補5遺伝子ついて、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集をおこない、機能欠損系統を作出した。これらは現在育成中である。 また、野生稲の繁殖戦略とUx-Su経路の関連を明らかにするため、O.rufipogonをはじめとするAAゲノム種の野生イネ100系統について穂分枝・葯長などの形質を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子の連鎖解析・候補遺伝子の遺伝子破壊系統の作出・野生イネ繁殖関連形質の調査など、予定通り進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
1. Su候補領域内に存在する遺伝子について作成した機能欠損株を解析し、責任遺伝子を同定する。 2. Su責任遺伝子が同定できたのち、in situ hybridizationをおこない時空間的な発現パターンを調べる。 3. また、野生イネWGSデータ解析をおこない、野生イネ集団内におけるSu遺伝子座における多型を検出し、機能型・欠失型等に分類することでSuの集団内における分布を明らかにする。 4. 昨年度に引き続き、野生イネにおける繁殖戦略関連形質の調査を進める。
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