研究課題/領域番号 |
22H02329
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
辻本 泰弘 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, プロジェクトリーダー (20588511)
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研究分担者 |
齊藤 大樹 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, 主任研究員 (10536238)
石崎 琢磨 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, 主任研究員 (30442718)
植田 佳明 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 任期付研究員 (70835181)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | イネ / リン欠乏 / マダガスカル / 出穂遺伝子 / トランスクリプトーム / ゲノム編集 / 収量 |
研究実績の概要 |
本研究は、リン欠乏に対するイネの可塑的・非可塑的な発育の分子生理応答を解明し、リン欠乏による発育への影響を考慮した品種選択と栽培管理が、環境ストレスに強靭で資源利用に優れたイネ生産に繋がることを実証するものである。今年度は、「課題1:リン欠乏を考慮した品種選択・施肥管理の有効性実証」、「課題2:リン欠乏による発育遅延指標の開発」、「課題3:リン欠乏と発育の分子生理応答の解明」の3つの課題について、以下の成果が得られた。対象とするマダガスカルにおいて、予期せぬ天候不順により、栽培試験の開始時期が遅延したものの、その後、繰り越した計画の中で収量等の必要なデータが回収された。結果、いずれも「研究実施計画」に照らして順調に進捗した。課題1では、ジャポニカ品種銀坊主を背景として出穂期関連遺伝子の組合せが異なる系統群をMTAで現地の研究機関に導入し、1年目の栽培試験を実施し、出穂、収量、バイオマス、気象等の必要データを収集した。また、同様の試験を熱帯・島嶼研究拠点(石垣市)でも実施し、データを蓄積した。課題2では、出穂の遅延程度と土壌のリン欠乏程度との関係を解析するために、複数のリン抽出法を用いて土壌分析データを収集した。課題3では、リン欠乏程度の異なる条件でのポット実験を行い、出穂期関連遺伝子の発現パターンを解析し、基礎知見を得た。また、出穂関連遺伝子をターゲットとしたゲノム編集による材料育成を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載の通り、天候不順の影響を受けて、1作目の現地栽培試験の実施時期がずれたものの、計画通り、1年目に必要な試験データや材料育成が進捗した。
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今後の研究の推進方策 |
課題1では、マダガスカルおよび石垣市における圃場試験を継続する。過年度までに得られた観測結果と合わせて、出穂関連遺伝子の組合せが異なる準同質遺伝子系統群とリン欠乏との相互作用が、生育日数および生育期間中の環境ストレスの影響を介して、イネの生産性に及ぼす効果を明らかにする。課題2では、観測データを追加しながら、これまでに得られたモデルの頑健性を高め、高精度で汎用性の高い「リン欠乏にともなう発育遅延指標」を提示する。課題3では、過年度までにゲノム編集により作出したマダガスカルの主力品種であるX265を背景とした出穂関連遺伝子とリン欠乏応答遺伝子に関わる変異系統群を供試して、グロースチャンバーでの制御実験を実施する。同制御実験において、遺伝子の発現パターンや植物体内のリン濃度の変化を観測することで、リン欠乏下での発育の可塑性・非可塑性を制御する分子生理応答の作用機作を検証する。課題1の圃場試験の結果と照合しながら、関連遺伝子とリン欠乏との相互作用がイネの発育収量に及ぼす効果と遺伝生理学的なメカニズムに関する知見をとりまとめる。各課題で得られた成果を学会や原著論文として公表する。
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