研究実績の概要 |
本年度は雑草性レベルメーター系統作出のための世代促進技術の開発を行った。交配に必要な種子数を確保するため、1個体当たり10個以上の花をつける条件で、4ヶ月で1世代を回す技術の開発を試みた。第1期は野外試験で行い、アメリカアサガオおよびアサガオともに短日処理を行うことで、両種の開花期が重なるタイミングで1個体あたり10個を大きく上回る花数をつけることに成功した。第2期および第3期は人工気象器を用いて栽培初期から短日条件で栽培し、開花期間および花数の調査を行った。その結果、両種間で開花ピークが概ね重なっていること、花数は1個体当たり10個を大きく上回っていた。これらの結果から、目標とする1個体あたり10個以上の花をつける条件で、4ヶ月で1世代を回す世代促進技術の開発に成功した。 雑草性レベルメーター系統が作出された際に、その実用性評価に用いるSNPsマーカーを開発するため、すでに解読されているI. nil(東京古型標準型(Q1065))の全ゲノム配列(Asagao_1.1)をリファレンス配列としてI. hederacea(農研機構WH03-IH)をリシーケンスし、両種間の多型の検出を行った。I. hederaceaについては3個体での平均リード数が220,305,648、シーケンスされた平均塩基数は33,046Mbpとなり、I. nilの全ゲノム塩基数を750Mbpとすると平均カバレッジ数は44となり、目標の20を上回った。Asagao_1.1にマッピングされたリード数は3個体の平均で207.7Mリードとなり、マッピング率は平均99.07%となった。リファレンス配列に対して、バックグラウンド除去のため用いたI. nilサンプルで配列が一致しI. hederaceaでホモで多型の見られたサイトを集計すると、SNPsが4,609,587箇所、indelが196,147箇所となった。
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