研究課題/領域番号 |
22H02353
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
藤原 和樹 名城大学, 農学部, 助教 (40725008)
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研究分担者 |
難波 康祐 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50414123)
藤川 貴史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 植物防疫研究部門, 上級研究員 (30598652)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | カンキツグリーニング病 / アブシジン酸 |
研究実績の概要 |
Candidatus Liberibacter asiaticus(以下、Ca. L. asiaticusと省略)は、カンキツ樹の師部に局在する病原細菌であり、カンキツグリーニング病を引き起こす。申請者らは、Ca. L. asiaticusは、他の細菌と異なりアブシジン酸(ABA)とサリチル酸(SA)の両方に対する応答経路を保有している可能性を見出した。興味深いことに、Ca. L. asiaticus は、外因性のABAにより増殖が誘導され、さらにABAは細菌の増殖に伴い著しく低減する。植物では、環境ストレスに応答するABAと免疫応答に関わるSAとの間で拮抗的なクロストークが知られている。従って、宿主植物に侵入したCa. L. asiaticusは、ABAとSAのホルモンバランスを自身で調節し、免疫応答を抑制することで、感染を成立させているのではと考えられた。本研究では、Ca. L. asiaticusにおけるABA応答機構について、ABAの細胞内への移行性とABA応答関連タンパク質とABAの直接的な相互作用を化学的アプローチにより明らかにする。 本年度は、蛍光標識基を結合したABAおよびABA類縁体の全合成条件を明らかにするとともに、各種ABAプローブに対するCa. L. asiaticus等の応答性をバイオアッセイにより解析した。その結果、供試した各種標識ABAおよびABA類縁体の処理において、Ca. L. asiaticusの増殖に差異が認められ、膜輸送およびシグナル応答関連遺伝子群の発現誘導も認められた。また、Ca. L. asiaticusのABA応答に関連する候補タンパク質について構造解析を行うとともに、蛍光標識ABAを用いてCa. L. asiaticus等におけるバイオイメージング解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
蛍光標識基を結合した各種ABAおよびABA類縁体を合成し、標識ABAを用いてCa. L. asiaticusとABAとの相互作用解析にまで進展している。
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今後の研究の推進方策 |
Ca. L. asiaticusのABA応答性には、ABAの化学構造に影響を受けることから、標識ABAの最適化を進めるとともに、今後はCa. L. asiaticus由来タンパク質とABAとの相互作用解析を展開する。また、Ca. L. asiaticus以外の細菌種においてもABA応答性を示す可能性があることから、標識ABAを用いた細菌―ABA間での相互作用解析を実施する予定である。特に、Ca. L. asiaticusと類似したABA代謝経路を保有するRhodococcus属細菌等を対象として研究を進める予定である。
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