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2022 年度 実績報告書

コガネムシの構造色の多様性を作り出す分子機構、ゲノム進化機構および適応的意義

研究課題

研究課題/領域番号 22H02365
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

神村 学  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長 (60370649)

研究分担者 鈴木 倫太郎  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, 上級研究員 (00399429)
横井 翔  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (40773073)
秦 珠子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (50370672)
弘中 満太郎  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (70456565)
土屋 渉  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, 主任研究員 (70844744)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードコガネムシ / 構造色 / 多型 / 遺伝子
研究実績の概要

昆虫の構造色が作る色彩は地域個体群や個体ごとに異なることが多いが、構造色にこのような多様性が生じる仕組みは分かっていない。申請者はこれまでに、コガネムシの構造色発色に必須の遺伝子LCP1を発見し、LCP1が構造色の性質を決める2つの光学特性のうちの強度を制御している可能性を示した。そこで本研究では、もう1つの光学特性である波長を制御する遺伝子を同定し、これらの遺伝子が構造色を制御する機構を明らかにすることを通して、“ 強度波長独立制御モデル”と呼ぶべき構造色の多様性創出の新モデルを提案する。さらに、亜種ごとに異なる構造色を持つリュウキュウツヤハナムグリを材料に、ゲノム解析と構造色の生理、生態機能の解析を行い、構造色がどのような適応的意義を持つことによりゲノム構造が変化して構造色の地理分化が生じたのかを明らかにする。以上の研究により、コガネムシの構造色に多様性が生じる仕組みについて、分子機構、ゲノム進化、適応の3方向から理解することを目指す。
本年度は、緑色、茶色、黒色の構造色多型を持つリュウキュウツヤハナムグリの奄美亜種を材料に用いてゲノム解析を行い、3つの構造色型間でゲノム構造を比較した。その結果、LCP1遺伝子の構造の終止コドン近辺にC末端の数アミノ配列を変える77 bpの欠失多型があり、緑色型は欠失無しのホモ、茶色型は欠失有り無しのヘテロ、黒色型にはヘテロと欠失有りのホモの両方の個体がいることがわかった。以上の結果から、LCP1遺伝子がリュウキュウツヤハナムグリの構造色強度だけでなく波長も制御していることが強く示唆された。このように、当初の作業仮説とは異なるが、本年度の研究で最も困難と考えていた構造色の波長特性を決める遺伝子の同定に成功したと考えられる。
加えて予定していた分光測定系の立ち上げ、組換えタンパク質の発現、構造色の生態的意義の解析も順調に進んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全ての小課題が予定通り進捗しているから。

今後の研究の推進方策

LCP1遺伝子の欠失多型が実際に構造色多型をもたらしているかを、多数の個体を使った遺伝子型と構造色型の相関の検討、リュウキュウツヤハナムグリの他亜種や近縁種でのLCP1の遺伝子型と構造色型の関係の調査、LCP1タンパク質の機能解析などにより多角的に確認する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リュウキュウツヤハナムグリの構造色多型を生み出す分子メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      神村 学、和泉 隆誠、横井 翔、土屋 渉、鈴木 倫太郎、豊田 敦、瀬筒 秀樹
    • 学会等名
      日本応用動物昆虫学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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