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2022 年度 実績報告書

ツキノワグマの駆除地域での管理ユニット策定と絶滅危機個体群での有害遺伝子の評価

研究課題

研究課題/領域番号 22H02370
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

大西 尚樹  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00353615)

研究分担者 兼子 伸吾  福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (30635983)
大澤 剛士  東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (40554332)
津田 吉晃  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40769270)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードツキノワグマ / 保全遺伝学
研究実績の概要

本州におけるツキノワグマの遺伝構造を明らかにした。マイクロサテライトDNA16遺伝子座を用いて各地で捕獲された個体の遺伝子型を決定し、STRUCTURE解析を行ったところ16程度の地域集団が推定された。特に日本アルプスによる東西の分岐と、岩手県における北上山地の遺伝的な独自性が明らかになった。また、日本アルプス周辺では日本海側から南方方面へ、岩手県では北上山地から奥羽山系への東方面へ同種が進出していった経緯が推定された。
集団の遺伝構造に与えるオスの影響を明らかにするために、Y染色体上のマイクロサテライトマーカーの開発に着手した。すでに公開されている韓国および四国のオスのツキノワグマの全ゲノム配列から、Y染色体上の変異を特定した。そして、Y染色体上の230のマイクロサテライト領域を選抜し、そのうちの108遺伝子座においてプライマーを作成した。また、他種での変異を調べるために国内の動物園からホッキョクグマ、マレーグマの血液サンプル、および北海道の野生のヒグマの組織サンプルを入手した。
絶滅が危惧されている四国のツキノワグマ個体群の有害変異蓄積量を推定するために、四国で捕獲された4頭(雌雄2頭ずつ)の全ゲノム解析を行った。比較対象として、本州の8個体(雌雄4頭ずつ)の全ゲノム解析も同時に行った。さらに、すでに公開されている四国の1個体と中国大陸由来の3個体の全ゲノム配列データを用いて予備解析を行ったところ、四国の個体は大陸由来の個体に比べて個体内のヘテロ接合度が極めて低いことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

課題初年度ということでサンプルの収集や予備解析に多くの時間を費やした。そのため、学会発表などの成果は少なかったが、次年度以降に向けて着実に進捗している。

今後の研究の推進方策

国内のツキノワグマの遺伝構造解析については、対象を本州東部から本州全域および四国にまで広げて、包括的な解析を行う。
また、開発中のY染色体上のマイクロサテライトDNAマーカーの多型性を確認し、これらを用いてオスの遺伝構造についても明らかにする。
四国の有害変異蓄積量については、今年度行った全ゲノム解析のデータを用いて本解析に着手する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] The impact of population control on Asian black bear populations in Nagano, Japan2022

    • 著者名/発表者名
      KOIDO Ririko, KUROE Misako, KUGA Hitoshi, OHNISHI Naoki, TSUDA Yoshiaki
    • 学会等名
      The 2022 Student Conference on Conservation Science
    • 国際学会
  • [備考] 長野県の野生動物保護管理について考える

    • URL

      https://msc.tsukuba.ac.jp/news20230307/

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公開日: 2023-12-25  

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