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2022 年度 実績報告書

ゲノム編集ユーカリを用いた加水分解性タンニン生合成遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 22H02391
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

田原 恒  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70445740)

研究分担者 伊東 秀之  岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70253002)
西口 満  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353796)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードEucalyptus camaldulensis / 二次代謝 / 生合成経路 / 遺伝子組換え / 酸性土壌 / アルミニウム過剰害
研究実績の概要

ユーカリは、強酸性土壌で問題となるアルミニウム過剰害に極めて高い耐性を持つ。我々は、加水分解性タンニンが根の中でアルミニウムを無毒化するという新しいアルミニウム耐性機構をユーカリで発見している。この耐性機構を理解し応用するには、タンニンの生合成遺伝子が同定されている必要がある。本研究では、タンニン生合成の第3~第6段階の反応を触媒する酵素の遺伝子をユーカリで同定することを目的して、(1)候補遺伝子がコードするタンパク質をベンサミアナタバコや酵母で生産させ、試験管内で酵素反応の証明と酵素特性の解明を行い、(2)候補遺伝子を破壊したゲノム編集ユーカリを作製し、植物体内で酵素機能の証明を行う。
タンニン生合成の第3段階から第6段階の反応の基質となる4種類のタンニンのうち、市販されているのは第3段階のβ-glucogallinのみである。そこで、残りの1,6-digalloylglucoseと1,2,6-trigalloylglucose、1,2,3,6-tetragalloylglucoseを植物体からカラムクロマトグラフィーで単離することで準備した。これらの基質は次年度以降、試験管内での酵素反応試験で用いる。
ユーカリで通常の遺伝子組換え体を作成するには1年以上の時間がかかるため、より迅速に遺伝子組換え体を得られる毛状根を利用した遺伝子組換え法の構築を目指した。毛状根菌(Rhizobium rhizogenes)の国内株7株と外国株1株を入手した。それらの菌株をユーカリの実生苗の胚軸へ接種する試験を行ったところ、すべての菌株で不定根の分化が認められた。今後、不定根に毛状根菌の遺伝子が導入されているか調べることで、毛状根の形成を確認する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、試験管内での酵素反応試験に用いる基質を準備できた。また、迅速にユーカリの遺伝子組換え体を得るために、毛状根を利用した遺伝子組換え法を検討できたので、「おおむね順調に進展している」とした。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、候補タンパク質をタバコに生産させ、酵素反応スクリーニングを行う。また、候補遺伝子を破壊するように設計したゲノム編集用ベクターを構築する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (4件)

  • [国際共同研究] マルティン・ルター大学ハレ・ ヴィッテンベルク(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      マルティン・ルター大学ハレ・ ヴィッテンベルク
  • [学会発表] UPLC-Q-TOF-MS analysis of hydrolyzable tannins in an aluminum-resistant tree Eucalyptus camaldulensis2023

    • 著者名/発表者名
      Tahara K, Ito H, Nishiguchi M
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年
  • [学会発表] アルミニウム耐性樹木ユーカリが含む加水分解性タンニンのLC-MS分析2023

    • 著者名/発表者名
      田原恒, 伊東秀之, 西口満
    • 学会等名
      第134回日本森林学会大会
  • [学会発表] 高アルミニウム耐性樹木Eucalyptus camaldulensisに含まれる新規エラジタンニン二量体の構造2023

    • 著者名/発表者名
      植盛晴菜, 岩岡裕二, 田原恒, 伊東秀之
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] アルミニウム無毒化タンニンの生合成抑制を目指した遺伝子組換えユーカリ2022

    • 著者名/発表者名
      田原恒, 西口満
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会2022年度東京大会

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公開日: 2023-12-25  

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