• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

北陸特有の融雪パターンと越境大気汚染が森林流域の水・物質動態に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22H02394
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

伊藤 優子  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60353588)

研究分担者 藤原 洋一  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (10414038)
小倉 晃  石川県農林総合研究センター(林業試験場), 石川県農林総合研究センター(林業試験場), 研究員(移行) (50522611)
久保田 多余子  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353670)
高瀬 恵次  石川県立大学, 生物資源環境学部, 客員教授 (90133165)
竹内 由香里  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90353755)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード温暖積雪地域 / 融雪 / 大型融雪ライシメータ / 越境大気汚染
研究実績の概要

これまでの研究から、北陸の森林流域では、寒冷地とは異なる温暖積雪地特有の融雪パターンにより、越境大気汚染の影響で降雪と共に流入した過剰窒素の土壌層への流入が進み、流域の窒素飽和化が進む可能性を指摘した。その検証のためには、北陸特有の融雪パターンを組み込んだ森林流域内の水・物質動態の解明が必要である。しかしながら、温暖、寒冷を問わず積雪期間中の水・物質動態の観測は困難なため、流出に至る途中の融雪・浸透プロセスに関わるデータが絶対的に不足しており、多くの生態系モデルにおいても気候変動への反応を予測する際の大きな制約となっている(Deckmyn, 2020)。その解決のためには、積雪底面から供給される融雪水の変動を高頻度で観測すると同時に水試料を採水することを可能にする大型融雪ライシメータ観測システムを構築し、積雪から流出までの地下部のプロセスを連続的に、かつ詳細に観測する新たな展開が必要である。
今年度は、温暖積雪という気候下の森林流域の積雪-融雪-流出の詳細な水・物質動態の観測を行うために昨年度設置したシステムから修正を加え大型融雪ライシメータ観測システムの構築を進めた。また、土壌水分観測および物質動態観測を継続した。
石川県農林総合研究センター林業試験場内の平地林内のA0層ライシメータ(1.8m×1.8m)と気象観測圃場の大型ライシメータ(3.6m×3.6m)の融雪量の観測データが得られた。2023年12月21日から2024年1月10日の期間の林内と林外に設置した融雪ライシメータの観測では期間中の降水量(290.5mm)に対して両ライシメータの融雪量は265~280mmとなった。また、融雪量の変動は気温や降水との関係が示唆された。このような観測データを蓄積することは融雪パターンのモデル化につながる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、観測装置の設計変更等を行い、積雪底面からの融雪水量の実態解明のため大型融雪ライシメータでの観測を実施することができた。得られたデータから融雪量と気温や降雨との関係が示唆され、温暖積雪地域の融雪パターン特性の解明に資することから、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、次期の積雪シーズンまでに各観測システムの完成度をさらに高める。R5シーズンに得られた水量および成分データの解析をすすめ融雪特性を明らかにする。また、土壌層内の水・物質収支を算出し、積雪下の水・物質動態変動を明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 石川県の森林流域における夏季と積雪期の流出経路の比較2024

    • 著者名/発表者名
      久保田多余子・伊藤優子・高瀬恵次・小倉晃
    • 学会等名
      日本森林学会
  • [学会発表] 融雪水の水量・水質測定のためのライシメータ設計2023

    • 著者名/発表者名
      高瀬恵次・藤原洋一・伊藤優子・小倉晃
    • 学会等名
      水文・水資源学会/日本水文科学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi