研究課題/領域番号 |
22H02413
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
坂本 真吾 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00783664)
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研究分担者 |
梶田 真也 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40323753)
上村 直史 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (50646528)
光田 展隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 副研究部門長 (80450667)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | リグニン / フェノール性化合物 / 代謝工学 / 植物バイオマス |
研究実績の概要 |
化学構造的にリグニンに取り込まれる可能性のあるフェノール性化合物について、公的データベース上に登録されている生合成に関わる酵素遺伝子、その中でも特に植物由来の酵素遺伝子を約30遺伝子選定し、それら遺伝子を導入したシロイヌナズナ遺伝子組換え体を作出し、1)リグニン構造、2)加工特性、3)生育特性を評価した。 それら遺伝子を導入した組換えシロイヌナズナについて、まずは花茎横断切片の顕微鏡観察を実施した。その結果、特定波長の自家蛍光強度が顕著に変化(増大もしくは減少)する系統を発見した。さらにその系統から得られる細胞壁残渣のリグニンモノマー構成を解析したところ、導入した酵素遺伝子が合成しているであろう化合物が検出されるとともに、従来型モノマーでH、G、Sユニットの組成比が変化している系統を複数同定した。 その中でも、仮称遺伝子Aを導入した系統では、自家蛍光の変化とともにその植物から得られる細胞壁残渣で酵素糖化率が向上しており、また、仮称遺伝子Bを導入した系統では、リグニンの変化とともに、植物の生育が阻害されることを明らかにした。現在、その原因となる化合物が、実際にリグニン取り込まれているかどうか、また、その結果としてリグニンの構造がどのように変化しているか、詳細な解析を進めている。また、木本植物であるポプラにもそれら遺伝子を導入した組換えポプラの作製を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リグニン構造を変化させているであろう遺伝子のうち複数の遺伝子を複数同定しており、現在詳細解析を進めるとともに、木本植物のポプラへの導入・検証にも進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
先述の通り、リグニン構造の詳細解析とともにポプラ組換え体の作製をすすめ、シロイヌナズナとポプラそれぞれにおける生育特性、得られる植物残渣におけるリグニンの詳細解析をすすめる
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