研究課題/領域番号 |
22H02467
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
中嶋 秀朗 和歌山大学, システム工学部, 教授 (30424071)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 獣害対策 / ロボットシステム / 野生動物管理 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,農作物への害獣被害を軽減するために,害獣対策用群ロボットシステムの基盤技術を開発し,あるいは,害獣の生態などに関する基礎的データを収集することである. 1年目においては,野生動物の適切な管理にもつながる上記の群ロボットシステムの基盤技術の開発を開始した.一般的な忌避機器や忌避剤は,一時的な忌避効果は認められても,定常状態になると慣れにつながり,効果が減少することが指摘されている.そのため本研究では,「ロボット本体の知的な動き」を活用して定常状態にはなりにくい状況をつくり,忌避効果につなげる群ロボットシステムの構築を目指すこととした. 第一段階として,少々荒れた自然地形にも対応可能な移動性能を持つロボットをベースとし,ROSを活用して自律移動システムの基盤を構築した.各移動ロボットは互いに通信し合い,害獣追い払い時にチームプレイができるようにするため,複数のロボットを統合して制御できるシステムの構築が必要である.統合システムの構成を検討する中で,OpenRMFというプラットフォームを活用する方針に至り,システム構築を進めている. また,群ロボットシステムの構築と並行して,獣害の発生状況の調査を開始した.予備段階として,和歌山大学構内に出現するイノシシ,タヌキなどに関して,いくつかの地点で一定期間の観測を実施した.動物の観測と同時に,動物が出没した際には,ロボットなど移動機器の動作に対する動物の反応を観測し,今後の知的な追い払い行動の設計につなげるデータの取得も試行した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大きく2つの観点から進捗状況を自己点検する. 1.獣害対策用の知的な群ロボットシステムの基盤技術の開発について 1年目では,少々荒れた自然地形にも対応可能な移動性能を持つロボットをベースとし,ROSを活用して自律移動システムの基盤を構築した.また,複数のロボットを統合して制御できるシステムの構築が必要であるが,その中核となるシステムとしてOpenRMFの可能性を見出し,OpenRMFを活用したシステム構築を進めている.開発目標への到達実現性の観点から,1年目の進捗状況としては「おおむね順調に進展している」と判断している. 2.野生動物の出没状況調査について 獣害対策用の知的な群ロボットシステムには,野生動物の出没検知と適切な追い払い行動が求められる.そのため,野生動物の出没状況の調査を実施して,出没検知やロボットの動作に関するノウハウを積み上げる必要がある.1年目では,実際に野生動物の出没調査を夕方から夜の時間にかけて一定期間行い,あるいは,動物の移動体の動作への反応を観測し,今後のフィールド実験につなげるための準備を行うことができたため「おおむね順調に進展している」と判断している.
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今後の研究の推進方策 |
2年目は,1年目で開発中の事項を継続発展させることが主な取り組みになるが,複数のロボットが協調しながら動作可能な全体システムの動作確認を,実機を用いて実施できることを目指す.また,害獣の種類に応じた知的な動作の可能性を拡げるために移動ロボットへのマニピュレータ設置の検討を行う.あるいは,動物の検出技術に関する基礎システムの開発も検討する. ロボットシステムの構築と並行して,昨年度まではコロナ禍の影響もあり実施しにくかった類似研究の動向調査や獣害の発生状況などに関する現地調査などを,より幅広い視点から必要に応じて行う.
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