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2022 年度 実績報告書

ニワトリの気質に関わる遺伝的基盤の解明と責任遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 22H02497
配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

石川 明  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20211724)

研究分担者 西島 謙一  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (10262891)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードニワトリ / 気質 / QTL / ゲノム編集 / 遺伝子
研究実績の概要

日本鶏を外国鶏に交配して作出された国産地鶏の鶏卵肉は、外国鶏ブロイラーとレイヤーより食味がよく消費者人気が高い。しかし、外的ストレス等により問題行動を頻繁に示すため、大規模飼養に向かない。この問題行動の遺伝的要因は日本鶏に由来し、視床下部-下垂体-副腎軸ストレス反応によって制御されていると言われているが、その詳細は未解明である。本研究では、ニワトリ気質の遺伝的基盤の解明を行い、気質遺伝子の同定を目指す。
本年度は以下に示す3つを実施した。
(1)気質の多様性の評価:日本鶏9品種と外国鶏の白色レグホーンの初生雛を用いて、オープンフィールドテストと持続性不動状態テストを行い、各品種の複雑な気質の特性を行動学的に明らかにした。また、複雑な気質の特性を1度の行動テストにより評価するため、新たな初生雛用行動テストを開発した。
(2)QTL解析と候補遺伝子の絞込み:気性の荒い大軍鶏と大人しい白色レグホーンT系統間のF2交雑群においてQTL解析を実施し、ゲノムワイド5%有意水準レベルで第1と2染色体上に2個のオープンフィールド行動に関与するQTLsを同定した。また、ゲノムワイト10%有意水準レベルで第4、7と10染色体上に3個のオープンフィールド行動QTLsを同定した。来年度に、候補遺伝子の絞り込みを実施する。
(3)ノックアウトニワトリの作製:これまでに、臆病な名古屋種と正常行動を示す白色レグホーンG系統間のF2交雑群において臆病QTLsをいくつか発見した。そのうち、1つの主要な臆病QTLについて、最有力候補遺伝子を1つに絞り込むことに成功している。この候補遺伝子を破壊した始原生殖細胞株クローンを樹立しレシピエント胚に移植後、生殖系列ノックアウトキメラの雄1個体の作出に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の想定に反し、ノックアウトニワトリ作製のための本実験の過程で当初用意していた始原生殖細胞株クローンの培養を失敗していることが判明したため、繰越申請し、ノックアウトニワトリ作製のための条件設定、予備実験と本実験をやり直す必要が生じた。研究実績の概要に記載したように、現在までに、生殖系列ノックアウトキメラの雄1個体の作出に成功している。

今後の研究の推進方策

引き続き、以下の2つの実験を進める。
(1)候補遺伝子の絞込み
気性の荒い大軍鶏と大人しい白色レグホーンT系統間のF2交雑群におけるQTL解析により、闘争性QTLsのゲノム上の位置を明らかにする。候補遺伝子を探索するため、RNA-seq解析によりQTLゲノム領域内においてmRNA発現量差を示す遺伝子を探索する。時間があれば、リアルタイムqPCR解析による確認実験を行う。
(2)ノックアウトニワトリの作製
臆病QTLの候補遺伝子を破壊した殖系列ノックアウトキメラ雄1個体の作製に成功したので、このキメラ雄個体とレシピエント品種の雌個体を交配し、+/ko遺伝子型をもつヘミ接合体の作出を進める。また、効率良くヘミ接合体を作出するため、複数のノックアウトキメラ雄個体の作製を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of candidate genes responsible for innate fear behavior in the chicken2022

    • 著者名/発表者名
      Ochiai Takayuki、Sakaguchi Marina、Kawakami Shin-Ichi、Ishikawa Akira
    • 雑誌名

      G3

      巻: 13 ページ: jkac316

    • DOI

      10.1093/g3journal/jkac316

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 日本鶏初生雛8_品種における後肢骨の比較解析2022

    • 著者名/発表者名
      石川明、寺島桃恵、都築政起
    • 学会等名
      日本畜産学会 第103回大会

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公開日: 2024-12-25  

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