研究課題/領域番号 |
22H02529
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
築山 智之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任准教授 (60612132)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | カニクイザル / 遺伝子改変 |
研究実績の概要 |
実験動物の遺伝子改変技術は、遺伝子機能の解明、有用動物の作出、ヒト疾患の病態解明など、生物学、医学の発展に多大な貢献をしてきた。一方、小動物におけるヒト疾患モデルは、その生理・代謝機能が必ずしもヒトを忠実に反映していない部分もあり、よりヒトに近い動物種における疾患モデル開発が望まれてい る。一方、カニクイザルは実験的操作が可能な動物種の中で、最もヒトに近い動物種であり、脳神経科学領域や感染症領域における研究、薬剤開発における安全性評価・前臨床試験に幅広く用いられているが、遺伝子改変技術の応用は遅れており、作製された遺伝子改変サルはモザイク性を示すという課題が残されてい る。 そこで本研究では、モザイク性を克服した次世代型の霊長類遺伝子改変技術の基盤を構築し、マウスでは再現できなかった様々な疾患の発症機構の解明に繋げることを目的とする。 本研究で得られる成果は、脳神経科学、発生生物学等の研究者が霊長類研究に参画する際の重要な技術基盤となることが期待されるのみならず、ブタやウシなどの他の大動物モデルへの応用も期待でき、生殖サイクルの長い動物種でも効率的にF0解析を行うための基盤技術となり、マウスでは再現できなかった様々な疾患の発症機構の解明に繋がることが期待される。 本研究計画ではまず、カニクイザルの遺伝子改変で現在用いられている受精卵に対する遺伝子改変法を改良し、単独遺伝子改変における課題解決を目指した。本年度は、トランスジェニック動物におけるモザイク性の解消という短期目標の達成のために作製した、発現時期を制御可能な改変PBaseを用い、トランスジェニックマウスの作出を行った 。また、トランスジェニックサルの作出にPBトランスポゾンを利用し、複数種の蛍光タンパク質を発現するトランスジェニックサルの追加作出に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、piggyBac(PB)トランスポゾンの転移酵素であるPBaseの活性を1細胞期のみに限定させるために、不安定化ドメインならびに薬剤誘導性タンパク質をPBaseと融合させ、その活性を人為的に制御できるようにする。本年度は、当初の予定通り、昨年度に作製した発現時期を制御可能な改変PBaseを用い、トランスジェニックマウスを作出した。また、トランスジェニックサルの追加作出にも成功した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に続き、トランスジェニック動物におけるモザイク性の解消という短期目標の達成のために、実験系の最適化を行う。このため、これまでに構築した各種改変PBaseのベクターおよび、PBaseの残存を視覚的に評価するための蛍光タンパク質と改変PBaseとの融合タンパク質を搭載したベクターを活用する。これらの新技術を駆使して、マウスおよびカニクイザルにおいてトランスジェニック動物を作出してモザイク性を評価し、さらに最適化を進める。また、新規のノックイン手法を開発し、ノックイン動物におけるモザイク性や低効率といった問題の解決を試みる。
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