研究課題/領域番号 |
22H02541
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
谷原 史倫 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90754680)
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研究分担者 |
本多 新 自治医科大学, 医学部, 教授 (10373367)
岩津 好隆 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40424014)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ゲノム編集 / ブタ / CRISPR/Cas9 / Klotho / CPP |
研究実績の概要 |
本研究ではKlotho遺伝子ノックアウトブタを作出し、表現型解析とCPP吸着カラムでの治療を行うことを目的とする。2022年度ではブタ胚でKlotho遺伝子を高効率にノックアウトするためのgRNAの設計と効率評価を行い、胚の発生能とゲノム編集効率を基に最適なgRNAを3種決定した。2023年度ではそれら3種のgRNAを用いてKlotho遺伝子を改変した胚を作成し、受胚豚への移植を実施したところ、4頭で妊娠が成立し計20頭の生存産子を得た。そのうち、7頭はframe shiftを誘発する変異が両アレルに導入された遺伝子改変ブタであった。これら7頭はKlotho遺伝子ノックアウト個体であることが予想され、現在表現型の解析を行っている。 一方、野生型アレルとKltho遺伝子が編集されたアレルを有する個体(ヘテロあるいはモザイク改変個体)は計9頭得られており、これらの中から雌雄を選抜しF1世代の安定的な作出体制を構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Klotho遺伝子をノックアウトすると胎生期に流産を起こすという報告があり、通常のCRISPR/Cas9によるゲノム編集でKlothoノックアウトブタを作出するのは困難であると予想していたが、予想と反して高い効率でKlotho遺伝子ノックアウトブタと推察される遺伝子改変個体の作出に成功した。表現型の解析はもちろん、F1世代の作出も研究期間内に充分可能となり、想定よりも順調に研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
Klotho遺伝子をノックアウトすると胎生期に流産を起こすという報告があるため、CRISPR/Cas9によるゲノム編集でKlothoノックアウトブタの作出と並行し、腎臓特異的Klotho遺伝子コンディショナルノックアウトブタを作出するための条件検討を行ってきたが、今年度の成果により早期にノックアウトブタを得られた。当初の計画通り研究を推進しつつ、F1世代を作出することでより詳細な表現型の解析を実施する予定である。
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