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2022 年度 実績報告書

実験と計算の高度な連携による銅含有亜硝酸還元酵素が触媒する反応機構の全容解明

研究課題

研究課題/領域番号 22H02565
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

玉田 太郎  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 上席研究員 (50391248)

研究分担者 福田 庸太  大阪大学, 大学院薬学研究科, 助教 (20783179)
リントゥルオト 正美  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10275191)
平野 優  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 主幹研究員 (80710772)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードタンパク質 / 立体構造 / 中性子・X線 / 量子化学計算 / 窒素循環
研究実績の概要

脱窒過程において亜硝酸イオンを一酸化窒素に還元する反応を触媒する銅含有亜硝酸還元酵素(CuNIR)の触媒サイクルにおける主要経路上の複数の状態を、水素原子の直接観察に長け照射損傷の無いプローブである「中性子」を中核に据え、X線を相補的に組み合わせて高精度構造解析を実施する。さらに、実験構造との整合性を担保した量子化学計算により、各状態間を補完したCuNIRの反応機構の全容解明を目的としている。
本年度は基質結合酸化型の構造解析をT1Cu認識に関与するシステイン残基(Cys135)をアラニンに置換したC135A変異体と基質である亜硝酸イオンとの複合状態で実施した。中性子回折データ収集を100K下で実施し、1.7Å分解能で処理した。引き続き、放射光施設において、中性子回折データを収集した同一結晶から1.0Å分解能でX線回折データを収集した。中性子とX線を相補的に組み合わせた構造精密化の結果、亜硝酸イオンは脱プロトン化した状態で存在しており、亜硝酸上で電子が局在化していることが観察された。この実験結果は量子化学計算結果と整合性が見られた。一方で、亜硝酸イオンの配位モードは温度の影響も受けることが知られているため、基質アナログとしてギ酸を結合した複合体の構造解析を室温下で収集した回折データ(中性子:1.9Å分解能、X線:1.2Å分解能)を用いて実施した結果、亜硝酸イオンの配位モードは実験条件由来ではなく反応中の一段階を示唆するものであった。この配位モードが安定であることは量子化学計算結果からも確認された。
また、過年度に実施した休止状態酸化型の中性子/X線構造解析においてT2Cuに水酸化物イオンが配位することを確認していたが、水酸化物イオンの配位状態を量子化学計算で検証した結果、T2Cuの電子状態によって水酸化物イオンと水分子が交換していることを示唆するデータを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基質結合酸化型の構造解析を完了し、量子化学計算との整合性も確認できた。

今後の研究の推進方策

基質結合酸化型から基質結合還元型への反応過程の検証を実験と計算の双方から行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 電子伝達タンパク質の高分解能構造解析2022

    • 著者名/発表者名
      玉田太郎
    • 学会等名
      東京大学物性研究所短期研究会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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