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2022 年度 実績報告書

リアルタイム網羅的遺伝子発現計測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22H02592
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

城口 克之  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00454059)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード1細胞解析 / AI / 機械学習 / 遺伝子発現解析 / イメージング
研究実績の概要

発生や疾患など、時間変化する生命現象の理解において、各細胞の状態変化を経時計測することは重要である。近年、個々の細胞の状態をバイアスなく同定する方法として、1細胞網羅的遺伝子発現解析が世界で広く実施されている。一方で、この手法は細胞から全RNAを抽出する必要があり、経時計測は難しい。本研究では、状態が遷移する細胞を対象に、リアルタイム・非破壊的にその時の状態を同定する手法を開発している。これらにより、科学的に重要であり同時に社会的インパクトも高いEMT(細胞の状態遷移の一つ)の分子メカニズムを理解し、本技術の有効性を実証することを目的としている。
本年度は、研究の解析に適した細胞種を検討するめ、複数の細胞種で状態を遷移させ、遷移する細胞の割合や遷移にかかる時間を調べた。選択した細胞種において、状態を計測するために基盤から細胞を剥がす技術を開発した。様々な条件を試したところ、安定して細胞を剥がすことができるようになった。開発した技術を用いて、状態を遷移している途中の細胞を数十個程度分取することができた。その後、分取した細胞の状態を決定するために、独自に開発した手法を用いて網羅的遺伝子発現解析を実施した。これにより、対象としている細胞種において、細胞の画像取得と網羅的遺伝子発現解析を同じ細胞に対して実施できることを示した。また、たくさんのデータを得た時に必要となる、機械学習に適したサーバーを構築した。このように、開発に向かって研究を推進している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の解析に適した細胞種を検討するめ、複数の細胞種でEMTを再現し、遷移する細胞の割合や遷移にかかる時間を調べた。選択した細胞において、E状態とM状態の時に、基盤から安定して細胞を剥がす技術を開発した。E状態からM状態に遷移させ、遷移途中の細胞を数十個程度分取し、小スケールで遺伝子発現解析を実施した。機械学習に適したサーバーを構築した。これらの成果にみられるように、研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

EMT中の遺伝子発現をリアルタイムに推定・同定する手法を開発するため、以下の項目に取り組む。
(1)E状態とM状態の細胞画像データをとり、1万個程度の細胞画像を自動取得できるように、細胞を認識して画像を切り出すシステムを構築する。
(2)切り出した細胞を対象に、E状態とM状態をラベルとし、画像からラベルを推定する。深層学習の複数のモデルで試みる。
(3)細胞内小器官などを蛍光染色して画像を取得し、推定精度が上がるかを評価する。
(4)E状態からM状態へ遷移する過程の細胞画像を1万個程度取得し、“day”をラベルとして推定できるかを検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Live prediction with image-based deep learning accesses temporal variability of single-cell transcriptomic states2022

    • 著者名/発表者名
      Tobias Frick, Katsuyuki Shiroguchi
    • 学会等名
      日本生物物理学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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