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2022 年度 実績報告書

再構成型翻訳・フォールディング連動システムの開発と関連する病気の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22H02612
配分区分補助金
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

今高 寛晃  兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50201942)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード翻訳 / 再構成 / タンパク質合成 / 小胞体 / フォールデイング / シャペロン / 翻訳因子 / SRP
研究実績の概要

ヒト因子由来再構成型翻訳システムに、ヒト細胞質主要シャペロンタンパク質(シャペロニンCCT, 新生鎖結合シャペロンNAC, リボソーム結合シャペロンRAC, Hsp70s, Hsp90s, プレフォルディン)を添加することにより再構成型翻訳・細胞質フォールディング連動システムシステム(細胞質タンパク用)を樹立した。次に再構成型翻訳・SRP連結システムの開発を進めた。まずSRPの再構成に取り組んだ。SRPは302ntのRNA (7SL RNA)とSRP9, SRP14, SRP19, SRP54, SRP68, SRP72といった6種類のタンパク質から成る。7SL RNA はin vitroの転写によって得た。SRP9, SRP14, SRP19, SRP54, SRP68, SRP72をHeLa細胞抽出液再構成系及び再構成系で発現するシステムを整えた。また、これらをT7 RNPワクシニアウイルスシステム(BHK細胞)で同時発現するシステムを構築した。次にSRPリセプター(SRa, SRb)及びSec61トランスロコン(Sec61a, Sec61b, Sec61g)を発現するシステムをHeLa細胞抽出液再構成系、再構成系そしてT7 RNPワクシニアウイルスシステム(BHK細胞)にて構築した。これらは複合体であるため、共発現、または単独発現+混合 という二つの戦略に関しての条件検討を行った。目下のところSRP, SR, Sec61いずれもHeLa細胞抽出液再構成系で発現し、FLAGカラムを利用して複合体を精製するという方法が最も効率が良いことがわかった。次年度はこのシステムを利用して、リコンビナントSRP, SRa/SRb/Sec61a/b/g を精製し、再構成系とliposome上で「再構成型翻訳・SRP連結システム」を構築していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度の交付申請で掲げた二つの課題のうち、「再構成型翻訳・細胞質フォールディング連動システムの確立」は一部完成し、「SRP再構成:再構成型翻訳・SRP連結システムの開発に向けて」は各構成分子の発現システムを整えることができた。したがって順調に、プロジェクトを進めていると考える。

今後の研究の推進方策

2022年度で整えたSRP発現システムを用いてリコンビナントSRPを構築し精製する。また、SRPリセプター (SRa, SRb), Sec61複合体 (Sec61a, Sec61b, Sec61g) を再構成系及びT7 RNPワクシニアウイルスシステム(BHK細胞)で発現し、精製するシステムを整備する。SRPリセプター (SRa, SRb), Sec61複合体は膜に組み込まれるため、リポソームにこれらを再構成していく。これを再構成ERの原型とし、上の再構成SRPと組み合わせることによりribosome-ER連動システムを構築していく。この連動システムが作動しているかどうかを確認するためのリポーターとしてSP (signal peptide)-EGFP HAを用いる。SPをEGFPタンパクのN末に付加することにより、EGFPタンパクが再構成ERの中に挿入されるようになる。アッセイとして、蛍光顕微鏡観察及びタンパク質分解法を用いる。前者を用いた場合、EGFP発現では視野全体に蛍光が観察されるが、SP-EGFP HA発現では膜上に局在蛍光が観察されると予想される。また、タンパク質分解法を用いると、EGFP HAは速やかに分解を受けるがSP-EGFP HAは脂質二重膜に保護されるため分解されにくいと考えられる。これはWestern blot (HA抗体)を用いて簡単に確認できる。また2024年度から解析予定であるCFTRやアンチトリプシンの再構成試験管内翻訳系での発現システムを整える。特にCFTR DNAは大腸菌内での維持が困難であることが分かっているためPCR templateを用いた発現システムを構築していく。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Nascent peptide-induced translation discontinuation in eukaryotes impacts biased amino acid usage in proteomes.2022

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Ito, Yuhei Chadani, Tatsuya Niwa, Ayako Yamakawa, Kodai Machida, Hiroaki Imataka and Hideki Taguchi
    • 雑誌名

      Nature Commun.

      巻: 13 ページ: 7451

    • DOI

      10.1038/s41467-022-35156-x

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] リピート関連非AUG翻訳に対するポリアミンの効果2023

    • 著者名/発表者名
      小黒明広, 町田幸大, 河合剛太, 今高寛晃, 松藤千弥
    • 学会等名
      ポリアミン研究会
  • [学会発表] In vitro reconstitution and elucidation of noncanonical translation2022

    • 著者名/発表者名
      町田 幸大、辻本宗佑、砂川真弓、今高寛晃
    • 学会等名
      第22回日本蛋白質科学会年会 WS9-3 蛋白質科学会ワークショップ
    • 招待講演
  • [学会発表] In vitro analysis of noncanonical Translation2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki IMATAKA
    • 学会等名
      TOKYO RNA CLUB 30th
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ポリアミンがCAG リピート由来の非標準翻訳に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      町田 幸大, 今高 寛晃
    • 学会等名
      第17 回 無細胞生命科学研究会
  • [学会発表] 2Aペプチド自己切断阻害剤のスクリーニング2022

    • 著者名/発表者名
      Miki Seiya三木世良哉、Machida Kodai(町田幸大)、Imataka Hiroaki(今高寛晃)
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] SARS-CoV2 特異的フレームシフト阻害剤のスクリーニング2022

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Rin(田中凜)、Machida Kodai(町田幸大)、Imataka Hiroaki(今高寛晃)
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] Reconstitution of c9orf72 (GGGGCC)-Repeat Associated Non-AUG translation with purified human translation factors2022

    • 著者名/発表者名
      Hayato Ito, Kodai Machida, Morio Ueyama, Yoshitaka Nagai, Hiroaki Imataka, Hideki Taguchi
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 無細胞翻訳系を用いたSCA36に関わるリピート関連非AUG(RAN)翻訳の分子機構解析2022

    • 著者名/発表者名
      蓮見真由美 伊藤隼人 町田幸大 永井義隆 今高寛晃 田口英樹
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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