研究実績の概要 |
植物特化(二次)代謝物のひとつであるフラボノイド類は、陸上植物に広く保存される紫外線級能をもつ抗酸化物質である。近年の自然変異体や栽培品種の代謝多型解析により、特定の修飾酵素遺伝子の種内・種間変異の多型が植物体のストレス耐性向上や環境適応に関わることが明らかとなってきた。本研究では、フラボノイド類の特定の修飾酵素遺伝子、構造安定性や構造多様化に関わる修飾酵素遺伝子や、ストレス耐性の強化に関わる修飾酵素遺伝子について、複数の植物種を対象とした種間比較代謝オミクス統合解析法の構築を行う。2023年度は、解析の結果得られた新規機能分化候補遺伝子について、機能解析実験を実施し、機能分化様式を明らかにするために整備したデータ解析プラットフォームを整備した。また、モデル植物や主要作物種のみならず、その他の作物種や薬用植物種への展開を想定したプラットフォームの整備を行った。研究成果として、サヤエンドウの栽培種特異的に産生されるポリフェノー類の機能分化の解析 (Perez de Souza et al., 2023)、アブラナ科作物種のストレス応答物質の解析 (Aghajanzadeh et al., 2023; Jing et al., 2023)、アブラナ科植物の種子特異的ポリフェノール生合成遺伝子の解析 (Naake et al., 2023)、アブラナ科植物の花序特異的な代謝の解析 (Borghi et al., 2022) を国際科学雑誌発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、フラボノイド類の特定の修飾酵素遺伝子、構造安定性や構造多様化に関わる修飾酵素遺伝子や、ストレス耐性の強化に関わる修飾酵素遺伝子について、複数の植物種を対象とした種間比較代謝オミクス統合解析法の構築をすすめている。2023年度の研究成果として、解析の結果得られた新規機能分化候補遺伝子の機能解析実験や機能分化様式を明らかにするために整備したデータ解析プラットフォームを活用し、アブラナ科作物種、ナス科作物やマメ科作物、および花序特異的もしくは種子特異的ポリフェノール類に着目した解析を実施した。2023年度の研究成果として、サヤエンドウの栽培種特異的に産生されるポリフェノー類の機能分化の解析 (Perez de Souza et al., 2023)、アブラナ科作物種のストレス応答物質の解析 (Aghajanzadeh et al., 2023; Jing et al., 2023)、アブラナ科植物の種子特異的ポリフェノール生合成遺伝子の解析 (Naake et al., 2023)、アブラナ科植物の花序特異的な代謝の解析 (Borghi et al., 2022) を国際科学雑誌発表した。また、構築した方法論を国際科学雑誌で発表した (Watanabe and Tohge, 2023)。植物生理学会、日本バイテクノロジー学会やBMSカンフェレンスなどで研究成果を発表した。また、これまでに得られた解析成果について、国際科学雑誌への投稿の準備を行っている。本研究の協力者 (海外研究機関) とは、オンラインミーティングなどを頻繁に行い、必要な情報の共有と連携の強化を行った。研究は概ね順調に進展しているといえる。
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