研究課題/領域番号 |
22H02698
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
沓掛 展之 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 教授 (20435647)
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研究分担者 |
三浦 恭子 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (80583062)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 真社会性 / 哺乳類 / 行動生態 / 社会行動 |
研究実績の概要 |
本研究は、真社会性を示すハダカデバネズミを対象に、ワーカー間の個体差とその決定要因、コロニーの構成個体間で起きる利害対立とその対処法、協力的社会の維持に関する至近・究極要因を解明することを目的としている。今年度はその初年度にあたり、行動観察により、ワーカーによる複数の労働行動を定量化し、その決定要因を統計分析した。また、コロニー全個体の位置データを網羅的に自動記録する装置によって、より長期的なデータを収集した。また、ハダカデバネズミの生態に関する総説論文を多数のハダカデバネズミ研究者と共著でBiological Reviews誌に発表した。さらに、協力的社会の進化においてその重要性が見落とされてきた繁殖価の役割について考察し、拡張されたハミルトン則を協同繁殖や真社会性の進化的獲得に当てはめた。また、ハダカデバネズミ以外の種を対象とした知見と合わせて、社会進化に関する新たな解釈を発見することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、ワーカー間の労働行動の個体差に関するデータを分析し、これまでの研究における労働行動の分類は再考が必要なこと、また異なる労働行動への従事が共変するというhelping syndromeの存在に関して議論の余地があることを明らかにした。興味深い結果が得られており、投稿論文にまとめてAnimal Behaviour誌に投稿する。また、繁殖価が協力的社会の進化において果たす役割を考察し、先行研究の調査を経て、その有効性を確かめることができた点も大きな進展である。
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今後の研究の推進方策 |
helping syndromeに関する論文を投稿し受理を目指す。また、個体の位置に関する大規模データを分析し、肉眼での行動観察では明らかにできなかったパターンの抽出を行う。繁殖価の役割に関する研究では、真社会性種のみならず、協力的社会を形成する種にも対象を拡大し、より一般性の高い議論の構築を目指す。
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