研究課題/領域番号 |
22H02707
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長田 直樹 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (70416270)
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研究分担者 |
河合 洋介 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 副プロジェクト長 (30435515)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | レトロエレメント / 日本列島 / ヒト / ゲノム |
研究実績の概要 |
令和5年度は引き続き野生ハツカネズミの内在性レトロウイルス解析を行うと同時に,ヒトゲノム解析へ向けたパイプライン構築と,倫理申請について進めた.ヒトゲノムの大量解析については令和6年に始めることとし,条件検討およびパイプライン構築に努めた.野生ハツカネズミの解析では,ゲノム中に大量の非リファレンス型の内在性ウイルス様配列が存在していることが明らかになった.特に日本由来および韓国由来の野生ハツカネズミにおいて配列の異常な増幅を発見した.また,すでにウイルスへの防御機能をもつことが知られている内在性レトロウイルス由来遺伝子,Fv-1およびFv-4を含むゲノム領域において,日本産のハツカネズミのゲノムが南方型のcastaneus亜種由来のゲノムを多く持つことが示された.特に,Fv-1領域においては何らかの自然選択によってこのようなゲノムの特徴が出来上がったことが示唆された.また,Fv-4は以前より日本由来の個体とcastaneus亜種個体での存在が示唆されていたが,domesticus亜種がもととなっているリファレンス配列には存在しないことが知られていた.本解析では,日本由来個体とcastaneus亜種個体において,Fv-4が予想される位置に挿入されていることを示す証拠を確認することができた.これらのことから,ヒトゲノムとほぼ同じサイズと似たような構造をもつハツカネズミゲノム解析において,解析手法がうまく働くことが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトのデータを扱う倫理申請が遅れたためにヒトゲノムの解析には遅れが出たが,ハツカネズミゲノム解析においては計画以上の進展が見られた.したがって,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度はハツカネズミゲノム研究について詳細に詰めていくと同時に,ヒトゲノムの解析を網羅的に行う. 日本人ゲノム配列に存在する非リファレンス型のウイルス様配列の挿入パターンを明らかにし,その領域に自然選択の痕跡が見られないかなどについて解析を進めて行く.また,ショートリードによって推定された挿入等が擬陽性でないか,ロングリードシークエンサーのデータを参照しながら検討を進める.
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