今後の研究の推進方策 |
(1)サイズの極めて小さいシリカやプラスチックの粒子が、貪食能の高いとは言えないケラチノサイト、上皮細胞、線維芽細胞などを刺激し、パイロトーシスを誘導するメカニズムを明らかにする。また、マクロファージ以外の免疫系の細胞の反応性についても検証する。好中球、マスト細胞などの顆粒球を想定している。さらに、当該細胞死応答が微粒子による組織損傷に関わるか否かを明らかにする。 (2)これまでの研究で、マクロファージやケラチノサイトを用いて、微粒子刺激に応じて細胞外に放出されるタンパク質のプロテオームを質量分析により明らかにしている。今年度は、ドメイン等の構造や過去の論文を参考に、当該放出タンパク質の中から炎症を制御する可能性がある分子をピックアップし、実際に微粒子による組織障害に関わるか否かを検証する。具体的には、当該分子のリコンビナントタンパク質を作製したり、当該分子を欠損する遺伝子改変マウスを作製したりすることにより、微粒子による炎症への関与を検証する。また、当該メディエーターの放出に関わる分子機構を明らかにする。NLRP3, Caspase1/11, Gasdermin d, Ninjurin1を欠損する遺伝子改変マウスや、細胞死に関わることが知られている分子に対する阻害剤などを用いて、解析を行う。
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