研究課題/領域番号 |
22H02786
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊藤 慎悟 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 准教授 (20466535)
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研究分担者 |
大槻 純男 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (60323036)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 細胞膜透過ペプチド / 組織関門 / マクロピノサイトーシス / トランスサイトーシス / ドラックデリバリーシステム |
研究実績の概要 |
今年度は、小腸透過環状ペプチドDNP(DNPペプチド)について、細胞内内在化に関わる分子の探索と同定を行った。まず、計画していた分子同定スクリーニングを実施する前に、DNPペプチドの配列から得られた分子情報をもとに推測した分子Xに関して検討を行った。Western blot法を用いた解析から、分子Xは小腸上皮細胞モデルであるCaco-2細胞に発現していることを見出した。次に、shRNAを用いて分子Xを安定遺伝子ノックダウンさせたCaco-2細胞を構築し、蛍光標識DNPペプチドの経細胞輸送解析を行った。その結果、分子Xの発現低下は、蛍光標識DNPペプチドのCaco-2細胞透過を有意に低下させた。また、分子Xに対する抗体を阻害剤として用いたところ、蛍光標識DNPペプチドのCaco-2細胞透過は有意に低下した。さらに、ヒト凍結切片を用いた免疫組織化学的解析から、分子Xはヒト小腸上皮細胞に局在することを見出した。以上の知見から、分子Xはヒト小腸においてDNPペプチドの経細胞輸送に関わる分子であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DNPペプチドの経細胞輸送に関わる分子を同定できたことから、本研究は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、小腸透過環状ペプチドDNP(DNPペプチド) について、(計画3)組織関門透過ペプチド細胞内内在化分子の輸送特性解析と(計画4)組織関門透過ペプチド輸送分子の発現量・局在解析を実施する。一方、血液脳関門透過環状ペプチドSLS(SLSペプチド)について、(計画1)組織関門透過ペプチドの細胞内内在化に関わる分子の探索と(計画2)組織関門透過ペプチド細胞内内在化分子の同定を実施する。
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