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2023 年度 実績報告書

競合する睡眠徐波の神経メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22H02806
配分区分補助金
研究機関東邦大学

研究代表者

成清 公弥  東邦大学, 医学部, 助教 (70599836)

研究分担者 船戸 弘正  東邦大学, 医学部, 教授 (90363118)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード徐波 / 紡錘波 / 大脳皮質 / 視床下部 / テトラサイクリン遺伝子発現調節システム
研究実績の概要

睡眠中の主要な脳波である睡眠徐波が生成・制御される神経回路メカニズムとその機能の解明を目指して研究を行っている。本年度は主に次のような進展があった。
睡眠中の脳波には、睡眠徐波に伴って紡錘波と呼ばれる波も同時に出現する。この紡錘波は睡眠徐波と相互作用し、特に記憶の固定化に関与していると考えられており、その生成は視床と大脳皮質との相互作用によって行われることが知られている。今回、徐波の生成に関与する神経回路を同定するため、いくつかの脳部位を抑制する実験を行ったところ、これまで紡錘波の発生に関与が知られていなかった視床下部領域に、紡錘波の生成を制御する脳部位を発見した。現在、詳細な脳部位の特定と紡錘波との因果関係を検証中である。
徐波の制御に関わる神経回路において、特定の分子の発現を可逆的に制御するための実験系を開発した。可逆的な遺伝子発現制御にはテトラサイクリン遺伝子発現調節システムを用い、これを特定の脳部位に発現させるためアデノ随伴ウイルスベクターを組み合わせた。シナプシンプロモーター下でテトラサイクリントランスアクチベーターを発現するアデノ随伴ウイルスベクターと、テトラサイクリン応答因子プロモーター下で目的のタンパクを発現するアデノ随伴ウイルスベクターの2種類を作製し、脳に局所的に感染させた。ドキシサイクリンの有無により、マウス生体脳でこれらの遺伝子の発現を可逆的に制御できた。現在、この方法で脳の局所に目的遺伝子を可逆的に発現できるようにしたマウスにおいて、その発現部位と非発現部位を含む複数の大脳皮質領域から同時に脳波記録を行う実験を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

睡眠徐波と関連が深い紡錘波について新たな制御部位を見出した。一方、睡眠徐波の機能についての検証や睡眠徐波に関わる大脳皮質ニューロンの特定などは途上である。

今後の研究の推進方策

来年度は、徐波の生成に関わる各脳領域間の因果関係の検証に加えて、今回新たに見つかった紡錘波を制御する脳部位の詳細な同定と紡錘波との因果関係の検証も並行して進める予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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