研究課題/領域番号 |
22H02815
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡島 徹也 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20420383)
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研究分担者 |
近藤 裕史 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (50644655)
竹内 英之 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80361608)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | EOGT / POFUT1 / POGLUT1 / NOTCH |
研究実績の概要 |
(1) 糖転移酵素群によるNOTCHタンパク質の分泌・分解の仕分け機構の解析に向けて、主要な糖転移酵素であるPOFUT1、POGLUT1、EOGTを欠損したHEK293細胞を樹立した。予想通り、この3重変異細胞では、Notch1の細胞膜への発現が消失した。一方、POFUT1、POGLUT1、もしくはEOGTを発現させることにより、Notch1の細胞膜発現が部分的に回復した。従って、3重変異細胞はO型糖鎖の分泌過程における機能を反映することが確認できた。また、3重変異細胞では、O型糖鎖を完全に欠損するのか、一部、残留するO型糖鎖が存在するのかを確かめるために、内在性Notch受容体を免疫沈降により単離し、プロテアーゼ消化産物を質量分析をするための予備実験を実施した。 (2) 3重変異細胞におけるNOTCH受容体の局在の異常を明らかにするために免疫染色をしたところ、NOTCH受容体の細胞内への蓄積が観察された。こうした異常NOTCH受容体の分解機構を明らかにするために、プロテアソームやオートファジーの阻害剤を用いて解析したが、異常NOTCH受容体の発現量は、これらの阻害剤により大きな変化は認められなかった。これらの結果より、3重変異細胞におけるNOTCH受容体の分解抵抗性の分子機構を明らかにすることが重要であると考えられた。 (3) O型糖鎖欠損NOTCH受容体を認識し、分泌や分解に導く分子機構を明らかにするために、相互作用因子の探索を行った。1つは、BioID法を用いて糖鎖変異型NOTCH1と相互作用する分子を網羅的に同定した。別のアプローチとして、3重変異細胞に発現する内在性NOTCHに相互作用するタンパク質を免疫沈降法により同定した。複数の分子が両グループに共通しており、共通する分子に着目して、機能解析を進めることの有効性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3重変異細胞におけるNOTCH受容体の分解抵抗性の分子機構に関する予備データが得られており、来年度以降、大きな研究の進展が期待できるため。
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今後の研究の推進方策 |
(1) O型糖鎖欠損細胞の樹立と糖鎖解析 3重変異細胞において、残留するO型糖鎖が存在するのかを確かめるために、内在性Notch受容体を免疫沈降により単離し、プロテアーゼ消化産物のOrbitrap Fusionを用いた質量分析を実施する。もし、残留するO型糖鎖が存在する場合は、野生型と3重変異細胞の間で、修飾率の差異が検出されるか検討をする。その結果、3重変異細胞におけるNotch受容体のフォールディングの状態を間接的に知ることができる。 (2) O型糖鎖欠損によるNOTCH受容体の分解機構 NOTCH受容体が蓄積する3重変異細胞において、各種化合物を用いたスクリーニングを行い、NOTCH受容体が分解される化合物を単離する。その化合物を用いることで、3重変異細胞におけるNOTCH受容体の分解抵抗性の分子機構を解明するための手がかりとする。 (3) O型糖鎖欠損NOTCH受容体と相互作用する分子の同定と機能解析 O型糖鎖欠損NOTCH受容体との相互作用因子に着目し、in vitroでの相互作用とその制御機構について明らかにする。
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