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2023 年度 実績報告書

in vivo力覚イメージング法の開発と骨のメカノバイオロジーへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 22H02826
配分区分補助金
研究機関同志社大学

研究代表者

西川 恵三  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (30516290)

研究分担者 福永 鷹信  九州大学, 工学研究院, 技術職員 (60591196)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード力覚 / 骨 / オステオサイト / 二光子励起顕微鏡 / in vivo / イメージング / ATP / マウス
研究実績の概要

生体を構成するすべての細胞は、多様な力学的環境にさらされており、外界からの‘機械的な刺激’を感受することで、自らの状態を変化させる。今や、この力覚機構は、生体の恒常性維持にかかわる基幹的制御として認識されており、生命現象を理解するための重要な研究課題になっている。本研究では、最新の顕微鏡技術を発展・改良することで、未だ研究が立ち遅れている力覚のin vivoイメージング研究に取り組む。
本年度は、昨年度に技術確立に成功した生きたマウスの脛骨に対して様々な力学的負荷(免荷ならびに静荷重)を加えつつ、生体骨組織をライブ観察する生体イメージング法を用いて、骨組織内の力覚の実態を解析した。力学的刺激によって引き起こされる細胞内変化を捉えるために、メカノメディエーターであるATPを指標に用いた。細胞内のATPを蛍光可視化するには、ATPに対する蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)型バイオセンサーGO-ATeamを発現するマウスを用いた。実際には、免荷並びに脛骨の長軸方向に対して1~7Nの荷重を負荷した条件下で観察を行った。免荷時のオステオサイト162個、1Nの荷重負荷時のオステオサイト41個、3Nの荷重負荷時のオステオサイト51個、5Nの荷重負荷時のオステオサイト72個、ならびに7Nの荷重負荷時のオステオサイト128個のFRET計測を行った結果、骨への荷重負荷1Nならびに3Nでは、オステオサイトのサイトゾル内のATP量に有意な変化は観察されなかったのに対して、5Nならびに7Nの荷重負荷ではATP量の有意な減少が観察された。以上の結果から、5N以上の過剰な負荷が骨に加わった条件で引き起こされる力学的刺激に対して、オステオサイトは応答することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度では、昨年度の力覚のin vivoイメージング法の確立に引き続き、当初の計画通りに骨組織内の力覚の実態を捉えることができ、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

本年度の研究によって、オステオサイトが力を感知する細胞である従来知見をin vivoで確証を得ることができたが、これは5N以上の過剰な負荷が骨に加わった条件でのみ起こる現象であることが明らかとなった。現在、5Nよりも小さな負荷に対しては、オステオサイトではなく、骨髄内の別の細胞が力を感知することを見出しており、この新たな力を感知する細胞に関して研究を進めることを計画している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] 生体骨組織の正しい酸素濃度情報に基づいた新たな低酸素応答の研究2023

    • 著者名/発表者名
      西川恵三
    • 学会等名
      第7回日本CKD-MBD学会学術集会 シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 骨代謝の恒常性維持におけるエピジェネティック制御を介した低酸素応答機構の重要性2023

    • 著者名/発表者名
      西川恵三
    • 学会等名
      日本体力医学会特別大会 シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 骨代謝におけるエピジェネティック制御を介した低酸素応答機構2023

    • 著者名/発表者名
      西川恵三
    • 学会等名
      第96回日本生化学大会 シンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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