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2023 年度 実績報告書

亜集団に発現するesp遺伝子群が担う新たな細菌特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22H02863
配分区分補助金
研究機関筑波大学

研究代表者

森川 一也  筑波大学, 医学医療系, 教授 (90361328)

研究分担者 尾花 望  筑波大学, 医学医療系, 助教 (00722688)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード黄色ブドウ球菌 / 限定的発現遺伝子
研究実績の概要

申請者らは数%以下の亜集団に発現するブドウ球菌遺伝子を見出し、限定的発現遺伝子esp (expression in minor subpopulation)と名付けた。幾つかのesp を除いて多くのesp遺伝子の役割は不明であり、このことは集団多様性に基づく未知のシステムが多数存在することを示唆している。本研究は、これら機能未知 esp遺伝子群が担う役割を解明することを目的としており、当該年度は以下を行った。・従来から研究を進めているesp15(自然形質転換における遺伝子取り込み装置関連の遺伝子)と同時に発現する遺伝子セットについて追加で幾つかの遺伝子機能を解析した。予備的結果では細胞死の制御に関するものが発現している可能性があり、今後検討する必要がある。 ・espの一つで、転写抑制因子と予想されている遺伝子について、本遺伝子は通常培養条件では数パーセント以下の発現であるが、特定条件でほぼ全ての細胞で発現する。しかしその他espについては発現頻度が上がる条件が見出されておらずcell sorterに用いることができるレベルに達していない。そこで、esp発現細胞を濃縮するための実験系を計画し、着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

esp発現頻度が低いものについて発現頻度が5-10%以上になる条件を見出すことが、次のステップ(cell sorter)に移行する前提となる。種々培養条件の検討は今後も続けるが本研究のネックとなっている。この問題を解決する必要があり、そのための実験を新たに計画する必要が生じた。このため、区分はやや遅れている、とした。
esp15に関連する研究は順調に先行しており、自然形質転換に関する論文を発表するに至っている。esp15と同時に発現する遺伝子群(同定済み)についても新しい展開として細胞死の制御の可能性が示唆される予備的結果が出ており、こちらも順調にすすんでいる。

今後の研究の推進方策

esp発現頻度が高くなる条件検討を継続するとともに、それが成功しない場合でもcell sorterの解析へと移行できるようにする代替手段を検討する。具体的には、発現頻度が低いままでもesp発現細胞がタグを発現するようにするためのレポーターを設計し、濃縮を試みる。
誘導条件が明らかになったespについては当初計画通り同時に発現してくる遺伝子の特性解析を行うことで、その役割を明らかにしていく。
なお研究が先行しているesp15(自然形質転換)について、本菌の薬剤耐性化での役割について、その他遺伝子伝達様式との比較を加えて、明らかにしたいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ホーチミン市バイオテクノロジーセンター(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      ホーチミン市バイオテクノロジーセンター
  • [雑誌論文] SCCmec transformation requires living donor cells in mixed biofilms2024

    • 著者名/発表者名
      Maree Mais、Ushijima Yuri、Fernandes Pedro B.、Higashide Masato、Morikawa Kazuya
    • 雑誌名

      Biofilm

      巻: 7 ページ: 100184~100184

    • DOI

      10.1016/j.bioflm.2024.100184

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] TOPICS 細菌学・ウイルス学 バイオフィルムにおける黄色ブドウ球菌の薬剤耐性獲得2023

    • 著者名/発表者名
      森川 一也
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 286 ページ: 284~285

    • DOI

      10.32118/ayu28604284

  • [学会発表] Transfer of SCCmec-mediated methicillin resistance in Staphylococcus aureus biofilms.2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Morikawa
    • 学会等名
      Joint Mini-Symposium NCKU & UT
    • 国際学会
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      https://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/infectionbiology/microbiology/

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公開日: 2024-12-25  

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