研究課題/領域番号 |
22H02919
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
宮原 慶裕 三重大学, 医学系研究科, 産学官連携講座教授 (10582083)
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研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00422824)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 変異抗原 / TCR / 細胞療法 / 個別化 |
研究実績の概要 |
本研究では、固形がん患者末梢血(PBMC)中に存在する、腫瘍反応性、且つ、変異抗原特異的CD8 +T細胞(TRNEO-CD8-T)の遺伝子プロファイルを解析・同定することにより、「PBMCから取得するTRNEO-CD8-Tを用いた、侵襲が少ない次世代型個別化TCR-T療法」の確立に向けた基盤研究を実施することを目的としている。本年度では、申請者らが既に確立した「大腸がん腫瘍浸潤T細胞(TIL)に特徴的な細胞表面分子を指標としたTRNEO-CD8-Tの同定手法」を用い、引き続き大腸がんTIL及びPBMCの取得を推し進めている。既に数種類の細胞表面分子がこれらTRNEO-CD8-TのTILからの取得に有用であることを確認しているが、一方で、同定したこれら分子を発現するT細胞の頻度が患者予後に相関するのか、すなわち、本来最も重要である、取得するTRNEO-CD8-Tが真に有用な細胞集団であるのかについて答えるための解析を実施している。具体的には、同定した分子Aの大腸がん腫瘍組織での発現と無再発生存期間(RFS)及び全生存期間(OS)との相関を解析した。約400症例での解析の結果、分子AのTILでの発現がRFS及びOSと有意に正相関していることを明らかにしている。この結果はすなわち、申請者らが取得する分子Aを発現するTRNEO-CD8-T由来のTCRは真に有用なTCRであり、患者予後をさらに改善できる可能性があることを示す重要な基盤になると考えられた。次年度においてもTIL及びPBMCの解析を推し進め、有用な分子の更なる同定のみならず、患者PBMCの解析を進めることによる、目的であるPBMCからの有用なTCR取得を可能にする技術基盤の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体収集を順調に進めており、また、取得したTILの解析及びPBMCの解析を実施することで研究進捗を得ている。おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後においても腫瘍組織、患者PBMCの収集を進め、TILからの分子マーカーを利用した腫瘍反応性T細胞の解析とその認識抗原解析を進める。これらTILの解析をさらに進めることで研究成果の検証を実施する。TILと共に、今後は患者PBMCの解析へ重点を移しつつ、TILで同定した腫瘍反応性T細胞と同一のTCRを発現するT細胞を同定する分子マーカーを決定していく。TILでの検討と同様に、適宜新規検体で検証を加えつつ研究の深度を深めていく。最終的には、患者PBMC中から直接的に腫瘍反応性T細胞の選択及び発現するTCRの取得が可能となる技術基盤を確立する。
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