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2022 年度 実績報告書

2型TNF受容体を介する免疫制御機構の解明とがん免疫療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22H02929
配分区分補助金
研究機関神戸学院大学

研究代表者

角田 慎一  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (90357533)

研究分担者 井上 雅己  神戸学院大学, 薬学部, 助教 (80757097)
永田 諭志  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, プロジェクトリーダー (40246682)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードTNFR2 / Treg / MDSC / 腫瘍免疫
研究実績の概要

本研究では、Treg及びMDSCの機能におけるTNFR2シグナルの意義・役割を明確化することを主たる目的とし、さらに、新しいがん免疫治療薬の開発を念頭に、がん免疫療法の至適化のための標的としてTNFR2シグナルの有用性を確かめる。2022年度の研究では以下の成果を得た。
① Treg/MDSCにおけるTNFR2シグナルのin vitro機能解析
MDSCにおけるTNFR2の機能を解析するため、野生型及びTNFR2-KOマウス由来骨髄細胞からin vitroでCD11b+/Gr1+ MDSCを誘導し、CD4+ T細胞に対する抑制作用を比較した。その結果、TNFR2-KOマウス由来MDSCではT細胞分裂抑制作用が低下していたことから、MDSCの免疫抑制機能にTNFR2及びそのシグナルが関与することが示唆された。
一方、TNFR2のシグナル伝達と機能を詳細に解析するため、独自の機能改変タンパク質創製技術を駆使して作製したTNF変異体からなるマウスTNFR2選択的アゴニストタンパク質scR2agoTNF-Fcを調製した。in vitroで誘導したMDSCにscR2agoTNFを作用させると、抑制性サイトカインIL-10の産生が促進されたことから、TNFR2シグナルがMDSCの機能(IL-10産生)に関わることが示唆された。
② Treg/MDSCにおけるTNFR2シグナルのi vivo機能解析
腫瘍浸潤Treg/MDSCにおけるTNFR2シグナルの機能をin vivoで解析するため、野生型マウスとTNFR2-KOマウスでのB16メラノーマの生着・増殖を比較した。その結果、TNFR2-KOマウスで腫瘍の生着・増殖の抑制が認めれ、また、腫瘍浸潤MDSC及びTregの数も減少していた。よって、in vivoにおいてもTNFR2シグナルがMDSC/Tregの機能に重要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TNFR2及びそのシグナルのTreg/MDSCにおける機能を明らかにする目的で、in vitro及びin vivoでの解析を推進し、TNFR2シグナルが重要な機能を担っていることを明らかにすることができた。TNFR2 KOマウスを用いた検討については、Treg特異的なコンディショナルKOマウスの作成を検討しているものの、現時点では全身レベルでのKOマウスを用いた検討に留まっている。以上を総合して、概ね順調であると考える。

今後の研究の推進方策

コンディショナルKOマウスの作成については、モデル動物作成支援のプログラムへの申請、あるいは公的機関での組換え動物作成サービスの利用を検討したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] タンパク質機能改変技術による2型TNF受容体シグナルのユニーク性の解析と創薬応用2022

    • 著者名/発表者名
      角田慎一
    • 雑誌名

      薬学雑誌

      巻: 142 ページ: 1297~1305

    • DOI

      10.1248/yakushi.22-00171

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 抗腫瘍免疫における制御性T細胞での2型TNF受容体シグナルの機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      森脇健斗, 井上雅己, 奥田智也, 角田慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] in vitroにおける免疫抑制細胞の機能とTNFR2シグナルの連関解析2023

    • 著者名/発表者名
      奥田智也, 井上雅己, 森脇健斗, 角田慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会

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公開日: 2023-12-25  

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