研究課題/領域番号 |
22H02957
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 栄人 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (00445537)
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研究分担者 |
天羽 拓 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 准教授 (40453922)
野田 幸子 順天堂大学, 医学部, 特任助手 (00846371)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 凝集体 / synuclein / オートファジー / マウス |
研究実績の概要 |
パーキンソン病の新規治療法の開発には病態に基づいた治療介入が早道であるのは言うまでもない。旧来、2つの特筆すべき病態、『凝集体形成』と『ミトコンドリア障害』に知見が集積している。そこで損傷ミトコンドリアが蓄積する『ミトコンドリアモデル』とオートファジーが破綻した『凝集体モデル』の2系統を樹立し、パーキンソン病モデルとして提案してきた。本研究はパーキンソン病のモデルマウスを経時的、横断的に解析しパーキンソン病の病態に迫る研究である。2022年度は凝集体モデルの解析を中心に行なった。凝集体モデルとして中脳ドーパミン細胞特異的にオートファジーを欠損したマウスにsynucleinトランスジェニックマウスを掛け合わせることにより、凝集体の形成過程を観察した。方法としてはマウス脳を4%パラホルムアルデヒドにより固定後にドーパミン神経領域を薄切し、免疫染色により観察した。Synuclein トランスジェニックマウスを掛け合わせることにより、個々の凝集体面積が拡大し、ドーパミン細胞内の単位面積当たりの凝集体数も増大した。さらにドーパミン細胞数をカウントしたところ神経細胞死が亢進していた。一方、コントロールとして比較したsynuclein トランスジェニックマウスには明らかな凝集体の形成は確認されないが、老化によりパーキンソン病に類似した運動症状が出現し、ドーパミン細胞の細胞死が確認された。明らかな凝集体形成がないにも関わらず細胞死が誘発される原因を追求した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は凝集体モデルに関して解析が予定通りに行われた。その結果、凝集体の形成は神経細胞死を誘発することが判明した。一方で、synucleinの過剰発現により凝集体形成がなされない場合にも神経細胞死の原因となることがマウスのモデルで証明することができた。
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今後の研究の推進方策 |
凝集体形成モデルについては順調であり引き続き解析を継続する。一方の、ミトコンドリアモデルについてもマウスの作成を急ぎ、今後の解析を進めて行く。
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