研究課題
本研究では認知症関連病的蛋白を標的としたワクチン療法の開発を行う。高齢化に伴う認知症の急増に対する対応が世界的に喫緊の課題となっているが、現時点で有効な治療法は確立していない。病的蛋白に対する免疫療法の開発が進み、アルツハイマー病関連アミロイドβ蛋白に対する抗体療法がFDAにおいて(条件付き)承認されるに至ったが、薬価や有効性の点で課題が多く指摘されている。早期介入が重要で、緩徐進行性で罹病機関が長いという認知症の特性上、ワクチン療法による介入アプローチは多くのメリットを有する。申請者らは、アルツハイマー病における神経細胞死と直接的な関連を持つ病的タウ蛋白に着目し、ワクチン療法の標的として最も効果的なエピトープの候補を網羅的解析によって同定してきた。タウ蛋白の翻訳後修飾(リン酸化)のパターンの変化がアルツハイマー病発症リスクと関連している可能性があり、特定のリン酸化部位を標的とすることで効果的なタウワクチン療法の開発に繋がることが期待される。申請者らが有する独自のワクチン開発技術を基盤とし、アルツハイマー病関連タウ蛋白の翻訳後修飾を標的とした画期的かつ現実的な治療法開発を目指す。初年度の令和4年度には以下の内容の研究を実施した。・候補エピトープ(タウリン酸化部位)の更なる妥当性検証のための病態脳組織を用いた解析。・候補エピトープに対するモノクローナル抗体の作成。・上記抗体を用いて、病態脳由来の病的タウとの親和性の評価を行い、候補の絞り込みを実施。
2: おおむね順調に進展している
研究計画通りに実施した。
このまま当初の計画通りに研究を進める。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 1件)
Dementia and Geriatric Cognitive Disorders.
巻: - ページ: -
10.1159/000529915
Fluids and Barriers of the CNS.
巻: 19 ページ: 1-15
10.1186/s12987-022-00331-1