研究課題/領域番号 |
22H03001
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
内田 裕之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40327630)
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研究分担者 |
山田 高成 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (20348767)
谷 英明 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30570907)
中島 振一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60383866)
岩渕 雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90573262)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | うつ病 / グルタミン酸 / AMPA受容体 / ケタミン |
研究実績の概要 |
治療抵抗性うつ病の治療戦略の開発および回復過程の病態解明は停滞しており、斬新な視点によるアプローチが急務である。治療抵抗性うつ病に対して強力かつ迅速に効果を発揮するケタミンは、その作用機序として膜表面AMPA受容体の増加が関与していることは動物実験では報告されているが、ヒトでは明らかでない。なぜなら、ヒト生体脳のAMPA受容体を可視化することができなかったためである。申請者らはAMPA受容体をヒト生体で可視化する世界初のPETリガンド([11C]K-2)を開発し、うつ病患者において上前頭回を中心とする前頭葉のAMPA受容体密度の低下を明らかにした。 本研究の目的は、治療抵抗性うつ病患者にケタミンを投与し、その治療前後で[11C]K-2を用いたポジトロン断層法(PET)を用いてAMPA受容体の密度と分布の変化を検証し、最新の機械学習・ディープラーニングを応用して、ケタミンの作用発現過程およびうつ病の回復過程をAMPA受容体の観点から明らかにすることである。さらに、マルチモーダルMRI計測、経頭蓋磁気刺激-高精度脳波同時計測システムも併用することにより、上記のグルタミン酸神経系と他の神経系との関係について包括的に評価する。本試験の最大の特徴は、生体脳のAMPA受容体を定量する世界で唯一の技術を用いて、いまだ明らかになっていない強力かつ即効性を有する抗うつ薬であるケタミンの作用機序の解明に取り組むことである。本研究計画では従来の抗うつ薬2種類以上に反応しない治療抵抗性うつ病患者34名(実薬群17名、プラセボ群17名)を対象とする。 2023年度 8名を組み入れ(累計34名)、参加者組み入れを終了した。試験薬投与に伴う重篤な有害事象はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度 8名を組み入れた(累計34名)、参加者組み入れを終了した。試験薬投与に伴う重篤な有害事象はなかった。このように本試験は予定通り、順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
収集した脳画像データの解析を進め、学会発表を通じて考察を深め、データ解析、論文化を進める予定である。
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