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2022 年度 実績報告書

EGFRを標的とした放射線治療効果予測システムの開発と、放射線治療併用薬の最適化

研究課題

研究課題/領域番号 22H03018
配分区分補助金
研究機関浜松医科大学

研究代表者

間賀田 泰寛  浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (20209399)

研究分担者 中村 和正  浜松医科大学, 医学部, 教授 (20284507)
鈴木 千恵  浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (20637285)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード分子標的イメージング / PET / 放射性医薬品 / がん / 放射線治療効果
研究実績の概要

申請者らはこれまで、申請者らが開発したEGFR-TKを画像化するPET用イメージング剤であるF-PYKを用いて放射線感受性の高いがんの鑑別の可能性について、インビトロ実験を中心に示してきた。また、活性型EGFR-TK阻害剤であるゲフィチニブ処理によりS期の細胞が減少することで、その分放射線治療単独より治療効果がさらに増進することもインビトロ実験系で示してきた。すなわち、EGFR-TKを標的とする分子標的イメージング薬剤を開発し、画像化することが出来れば、一定のリスクを伴う生検を行うことなく、放射線抵抗性の程度を治療開始前に評価することが可能となり治療計画をより有効なものに出来ると期待される。そこで本研究では、がんの放射線治療により惹起されるDNA二重鎖切断の修復に関連する分子機構について着目し、臨床応用可能ながん放射線治療効果予測システムと、併用薬によるより高い放射線治療効果を得るための最適化を目指すこととした。
本年度は、これまで行ってきた細胞種にさらに細胞種を増やす事を計画し検討を進めた。その結果、L858Rの活性型変異を有するH3255を追加し、F-PYKが同じく活性型変異であるex19delの一種、H1650と同様の高い親和性を有することが示された。また、F-18標識F-PYKを用いた検討ではex19delであるPC9やH1650に比べて2倍近い取込を有することが示された。In vivo腫瘍集積量は、in vitro細胞取り込み量とは必ずしも相関しなかったが、H3255では、投与6時間後まで腫瘍集積が上昇し続ける事が示され、L858R変異を有する場合、他と異なり所謂koffが遅いのかも知れないものと推測された。また、新規イメージングプローブであるオシメルチニブを母体とする標識薬剤の原料合成について、効率的反応ルートなどの検討を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細胞培養に使用するCO2インキュベーターの故障があり、暫く細胞実験が止まってしまったため、遅れが生じた。また、新規イメージングトレーサーの合成において、原料合成を進めているところであり、時間を要しているため、やや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

本来の予定通り、令和5年度においても引き続き、細胞種を拡大したインビトロ実験系における放射線治療効果の評価を続ける。また、いくつかの細胞については放射線治療効果を観察しているので、セツキシマブ等の抗EGFR抗体、ゲフィチニブ等の第一世代EGFR-TK阻害剤、耐性型に有効とされるオシメルチニブ等の第三世代EGFR-TK阻害剤などの併用薬添加による放射線治療効果変化の評価を開始する。
また、放射線治療時に耐性能を獲得した場合、多くの場合はT790M変異が追加される。そこで、T790M変異の特異的画像化を目的として、第三世代EGFR-TKI であるオシメルチニブを母体化合物とした新規PET用イメージングプローブの開発を計画しているので、引き続きその合成について検討を進める。

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公開日: 2023-12-25  

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