研究課題
第3者健常成人由来CAR-NK細胞製剤の新規開発を最終目標に、本研究ではメモリー様NK細胞の製造法の新規技術ならびに新規CAR遺伝子の開発を目指して、(1)NK細胞のメモリー様分化の分子基盤と誘導法の解明、製造法および遺伝子改変法の確立、(2)膜型サイトカインの新規開発、(3)NK細胞における最適なシグナルドメインの同定、(4)開発したNK細胞製剤の有用性の証明(in-vitro / ヒト腫瘍の異種移植マウスモデル)、の4項目に沿って研究を進めている。(1)については従来型のフィーダー細胞を用いる培養と複数サイトカインと刺激抗体による培養との比較検討を、複数のドナーについて実施中である。開始年度には、世界情勢の影響によりNK細胞用特殊培地がまったく入手できなくなる事態が生じたが、その間は、本邦で入手できる別培地の評価を行った。(2)膜型サイトカインについてはX遺伝子の膜結合型コンストラクトをデザイン、ベクターを作成、ウイルスベクターにより細胞株やヒトNK細胞に遺伝子導入し、同コンストラクトが膜結合の状態で膜表面にサイトカインXを発現できることを確認した。機能について検討中である。(3)CD3zに加えて4-1BBまたはCD28などの共刺激受容体シグナルドメインを追加することで、CAR-NK細胞の傷害活性の亢進が確認されている。これら以外の共刺激分子の評価のため、NKp44-CARをベースに5つの異なるコンストラクトを作成した。まずはCAR-T細胞における評価中である。ヒト腫瘍検体RNAにおけるNKp44リガンド発現を検討し、発現が確認された。(4)異種腫瘍を生着させたマウスモデルの作成を複数の腫瘍系について行った。ルシフェラーぜによる腫瘍細胞増殖のモニタリングが可能であることを確認した。NK細胞/CAR-NK細胞のIn vivo機能評価を準備した。
2: おおむね順調に進展している
4つの検討課題にすべて着手済みであり、かつ、一定の進捗と実験結果が得られているため。
先の計画通りに進める予定である。膜結合型サイトカインについては別コンストラクトの開発を検討している。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 2件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 図書 (2件)
International Journal of Hematology
巻: 118 ページ: 99~106
10.1007/s12185-023-03600-3
巻: 115 ページ: 151~152
10.1007/s12185-021-03269-6
Pediatric Blood & Cancer
巻: 69 ページ: e29699
10.1002/pbc.29699
Haematologica
巻: 107 ページ: 1719~1725
10.3324/haematol.2021.279857
Modern Rheumatology Case Reports
巻: 7 ページ: 261~266
10.1093/mrcr/rxac034
Journal of Clinical Immunology
巻: 42 ページ: 1168~1170
10.1007/s10875-022-01300-x
巻: 42 ページ: 1748~1765
10.1007/s10875-022-01312-7
Translational Oncology
巻: 25 ページ: 101521~101521
10.1016/j.tranon.2022.101521
Neuro-Oncology
巻: noac243 ページ: noac243
10.1093/neuonc/noac243
Annals of Hematology
巻: 101 ページ: 2813~2815
10.1007/s00277-022-05010-7
Blood Advances
巻: 6 ページ: 3230~3233
10.1182/bloodadvances.2021006302
Biochemistry and Biophysics Reports
巻: 30 ページ: 101255~101255
10.1016/j.bbrep.2022.101255
血液内科
巻: 84(6) ページ: 1-8
内科
巻: 130(4) ページ: 749-754
Genes to Cells
巻: 27 ページ: 719~730
10.1111/gtc.12986
RSC Advances
巻: 12 ページ: 28113~28122
10.1039/d2ra05155a
Pathobiology
巻: 89 ページ: 222~232
10.1159/000521714
Pharm Stage
巻: 22(2) ページ: 71-77