研究実績の概要 |
川崎病モデルマウスをday-0, 7, 14, 28日目にかけて、心臓内におけるCD45陽性細胞ならびにCD45陰性細胞にわけてsmall RNA sequencingを行った。また、収集したCD45陽性細胞を用いた二次元のt-SNE解析では、マクロファージ(8 clusters)、好中球(3 clusters)、T細胞(5 clusters)、B細胞(2 clusters)、natural killer細胞(1 cluster)、樹状細胞(3 clusters)、リンパ球(1 cluster)、また、CD45陰性細胞集団より、線維芽細胞(3 clusters)、血管内皮細胞(4 clusters)、平滑筋細胞(2 clusters)を同定した。川崎病血管炎モデルにおける炎症7日目での好中球発現プロファイルでは、既報のIL1alpha/beta、Mmp8の発現上昇とともに、Cxcl2, Cxcl3, Cxcl10がIL6やTnf-alphaの産生に寄与し、さらに、IFN-gamma誘導性guanylate-binding proteinsの発現上昇をはじめ、Neutrophilic granule proteinやMapkなどのカスケードを活性化させ、心筋組織の繊維化工程に誘導することを明らかにした。一方、マクロファージclusterでは、炎症後14日目にCcl6, Ccl7, Ccl8, Ccl24の発現上昇を認め、また、T細胞clusterでは、Th17サイトカインがcluster 2, 4に高発現し、Cd4, Tnfsf11を介してT細胞の活性化させ、炎症後21日目には制御性T細胞が主体となり、IL-2, IL3, IL23などの発現に伴い、炎症を収束させる代償性免疫応答機構のプログラムが活性化された。
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