研究課題/領域番号 |
22H03049
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
永田 浩一 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 分子病態研究部, 部長 (50252143)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | KCNQ2 / てんかん性脳症 / 良性家族性てんかん / 変異マウス |
研究実績の概要 |
1)iGONAD法によるKCNQ2-R213Qおよび-R213Wノックイン・マウス作出:iGONAD法は、CRISPR/Cas9系に関連したRNA(Cas9 mRNAとsgRNA)を、受精卵を有する妊娠マウスの卵管に注入し、その卵管全体に直接in vivo電気穿孔法を実施することでゲノム編集マウスを作出する実験法である。この技術を既に導入・運用しており、KCNQ2-R213Qおよび-R213Wノックイン(KI)マウスの作出を完了した。 2)KIマウス大脳の固定切片観察:KCNQ2-R213Q変異について、神経細胞の形態・移動に果たす役割を検証した。具体的には、子宮内電気穿孔法を用いて、胎生14日の KCNQ2-R213QのKIマウス大脳にGFPを導入して神経細胞をラベルした。導入後、遺伝子異常の結果として起こる神経細胞の移動・形態の変化を、共焦点レーザー顕微鏡で解析した。その結果、発生期の大脳皮質神経細胞の移動が障害されていることが確認された。 3)KIモデルマウスを用いた電気生理実験:KCNQ2-R213QのKIマウスの大脳皮質スライスを作成し、電気生理学的に興奮性神経細胞機能の解析(活動電位、誘発電位、NMDA/AMPA受容体機能)を行っている。その結果、興奮性神経細胞の興奮性が増大してることが示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iGONAD法によるKCNQ2-R213Qおよび-R213Wノックイン・マウスの作出に成功し、継代を重ねているから。その過程で、形態学的・電気生理学的に有意な表現型が得られているから。
|
今後の研究の推進方策 |
KCNQ2-R213Qおよび-R213Wノックイン・マウスをモデルとして、良性家族性てんかんとてんかん性脳症の病態メカニズムの違いを解明してゆきたい。併せて、DEEの新規治療の標的となるシグナル経路・分子の同定を目指したい。
|