皮膚筋炎マウスモデルの一つとして、筋炎特異的自己抗体の一つである抗TIF1抗体陽性症例に対応した筋炎モデルマウスを確立している。これに対比し、抗MDA5抗体皮膚筋炎患者は、筋炎には乏しく、一方、致死的な間質性肺炎を発症して生命予後が悪いことが知られている。2022年度は、MDA5免疫に、発症契機となり得るウイルス感染症を模した自然免疫活性化操作を加えることで、MDA5誘導間質性肺炎モデルマウスを確立した。養子移入実験や遺伝子改変マウスを用いた実験により、この間質性肺炎モデルの病原性細胞はMDA5反応性CD4 T細胞であることを同定した。また肺組織の解析により治療標的としてインターロイキン6を見出し、実際に抗体医薬を用いた治療実験でインターロイキン6が治療標的として選択肢となることを示した。
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