研究課題/領域番号 |
22H03132
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
武輪 能明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20332405)
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研究分担者 |
井上 雄介 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (80611079)
寺澤 武 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20815401)
佐藤 康史 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30767778)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 人工心臓弁 / 自家組織 / 経カテーテル / 成長性 / 組織工学 |
研究実績の概要 |
本年度は前年度に引き続き〈1〉人工弁の、モック回路を用いた基本性能およびフィッティング評価、〈2〉人工弁の、大動物を用いた急性実験による基本性能評価を行い、さらに〈3〉人工弁の、大動物を用いた長期性能評価を行った。 〈1〉人工弁の、モック回路を用いた基本性能およびフィッティング評価:成ヤギを麻酔下、手術的に各種バイオバルブ作製用鋳型複数個を皮下に埋入した。1-2ヶ月後に周囲に形成された皮下組織と共に鋳型を取り出し、鋳型のみ除去してバイオバルブを得た。それらをシリコン製疑似血管内に装着しモック回路内で循環させ、フィッティングと性能を評価した。その結果、皮下で作製したバイオバルブの導管及び弁葉部はレーザによる3D形状計測及び引張試験機を用いた機械的物性解析技術により、生体自身の組織と比較しても同等以上の強度、耐久性および柔軟性を持つことが示された。また、モック回路内の循環試験にて、高速度カメラ撮影による良好な弁の開閉と、流体力学的には良好な弁前後圧較差、有効弁口面積および逆流率を示した。 〈2〉人工弁の、大動物を用いた急性実験による基本性能評価:上記(1)と同様に皮下で作製したバイオバルブを、モック回路に代わり成ヤギ急性実験にて性能を評価した。その結果、通常の手術的およびカテーテル的弁装着が可能であり、装着後の超音波エコー検査および血管造影検査にて、良好な弁の開閉と、狭窄、逆流についてはいずれも許容範囲内であることが示された。 〈3〉ステント付き人工弁の、大動物を用いた長期性能評価:〈1〉、〈2〉と同様の方法で成ヤギにてバイオバルブステントを得た。それを用いて成ヤギに右開胸下右室心尖部穿刺にて肺動脈に移植し、性能を継続的に評価した。その結果、成ヤギは術後抗凝固療法を一切使用せず6ヶ月間生存した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は(1)人工弁の、モック回路を用いた基本性能およびフィッティング評価、(2)人工弁の、大動物を用いた急性実験による基本性能評価、〈3〉ステント付き人工弁の、大動物を用いた長期性能評価、を行う予定であったが、予定通りに遂行し得た。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は次年度と共に〈1〉人工弁の、モック回路を用いた基本性能およびフィッティング評価、〈2〉人工弁の、大動物を用いた急性実験による基本性能評価、〈3〉人工弁の、大動物を用いた長期性能評価をさらに進展させると共に、〈4〉人工弁の、ヤギ成長モデルを用いた成長性の検討を行う。
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